アブー・ヌワース(Abū Nuwās; 747年-762年生、815年頃没)は、アッバース朝期バグダードのアラビア語詩人。8世紀後半から9世紀初頭のカリフ、ハールーン・ラシードからムハンマド・アミーンの頃に活躍した()。享楽的な酒ほがい詩や恋愛詩で知られる()。同時代の清貧詩人アブル・アターヒーヤとは作風も好対照をなし、よく並び称される。共にアラビア語詩に新しい様式や内容の多様性をもたらした「モダン派」の代表的詩人として知られる()。 近世アラブ世界の民話の中で、その人物像や伝説が誇張や想像も交えながら語り継がれていった。『千夜一夜物語』にも「名君」というキャラクターを与えられたハールーン・ラシードの取り巻きという道化的役回りで登場する。民話上のキャラクターとしては、歴史的に交易を通じてアラブ世界と文化的に接続していたスワヒリ文化圏など東アフリカ沿岸世界にも伝播した。アフリカ民話の世界に至っては歴史上の人物としての存在から遊離し、名前もアブヌワシやアブナワスなどに現地音化してトリックスターとして活躍する。 近現代以降は、アラブ・ナショナリズムという文化運動の中で再発見されることとなった。

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  • アブー・ヌワース(Abū Nuwās; 747年-762年生、815年頃没)は、アッバース朝期バグダードのアラビア語詩人。8世紀後半から9世紀初頭のカリフ、ハールーン・ラシードからムハンマド・アミーンの頃に活躍した()。享楽的な酒ほがい詩や恋愛詩で知られる()。同時代の清貧詩人アブル・アターヒーヤとは作風も好対照をなし、よく並び称される。共にアラビア語詩に新しい様式や内容の多様性をもたらした「モダン派」の代表的詩人として知られる()。 近世アラブ世界の民話の中で、その人物像や伝説が誇張や想像も交えながら語り継がれていった。『千夜一夜物語』にも「名君」というキャラクターを与えられたハールーン・ラシードの取り巻きという道化的役回りで登場する。民話上のキャラクターとしては、歴史的に交易を通じてアラブ世界と文化的に接続していたスワヒリ文化圏など東アフリカ沿岸世界にも伝播した。アフリカ民話の世界に至っては歴史上の人物としての存在から遊離し、名前もアブヌワシやアブナワスなどに現地音化してトリックスターとして活躍する。 近現代以降は、アラブ・ナショナリズムという文化運動の中で再発見されることとなった。 (ja)
  • アブー・ヌワース(Abū Nuwās; 747年-762年生、815年頃没)は、アッバース朝期バグダードのアラビア語詩人。8世紀後半から9世紀初頭のカリフ、ハールーン・ラシードからムハンマド・アミーンの頃に活躍した()。享楽的な酒ほがい詩や恋愛詩で知られる()。同時代の清貧詩人アブル・アターヒーヤとは作風も好対照をなし、よく並び称される。共にアラビア語詩に新しい様式や内容の多様性をもたらした「モダン派」の代表的詩人として知られる()。 近世アラブ世界の民話の中で、その人物像や伝説が誇張や想像も交えながら語り継がれていった。『千夜一夜物語』にも「名君」というキャラクターを与えられたハールーン・ラシードの取り巻きという道化的役回りで登場する。民話上のキャラクターとしては、歴史的に交易を通じてアラブ世界と文化的に接続していたスワヒリ文化圏など東アフリカ沿岸世界にも伝播した。アフリカ民話の世界に至っては歴史上の人物としての存在から遊離し、名前もアブヌワシやアブナワスなどに現地音化してトリックスターとして活躍する。 近現代以降は、アラブ・ナショナリズムという文化運動の中で再発見されることとなった。 (ja)
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