2003年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第99回ワールドシリーズ(99th World Series)は、10月18日から25日にかけて計6試合が開催された。その結果、フロリダ・マーリンズ(ナショナルリーグ)がニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)を4勝2敗で下し、6年ぶり2回目の優勝を果たした。 マーリンズは1997年の前回優勝時も今回も、地区優勝できずワイルドカードとしてポストシーズンに出場し、そこからワールドシリーズを制した。ワイルドカードからの優勝2度は、1994年の制度創設以来マーリンズが初めて。ただ、前回の優勝がボビー・ボニーヤやモイゼス・アルーら複数の大物選手を高額契約で迎え入れてのものだったのに対し、今回の優勝は新人のドントレル・ウィリスやミゲル・カブレラなどロースターのほとんどを若手選手で構成してのものと、チーム作りの過程は対照的だった。この若手中心のチームを率いた監督が当時72歳のジャック・マキーオンで、今シリーズ優勝により彼はシリーズ史上最年長の優勝監督となった。シリーズMVPには、優勝を決めた第6戦で完封勝利を挙げるなど、2試合16.1イニングで1勝1敗・防御率1.10という成績を残したマーリンズのジョシュ・ベケットが選出された。