1989年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第86回ワールドシリーズ(だい86かいワールドシリーズ、86th World Series)は、10月14日から28日にかけて計4試合が開催された。その結果、オークランド・アスレチックス(アメリカンリーグ)がサンフランシスコ・ジャイアンツ(ナショナルリーグ)を4勝0敗で下し、15年ぶり9回目の優勝を果たした。 カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアに本拠地を置く球団どうしの対戦で、両本拠地を結ぶ交通から "ベイブリッジ・シリーズ" や "バート・シリーズ" などと呼ばれた。また、10月17日の第3戦開始前にベイエリア一帯をロマ・プリータ地震が襲ったため、10日間にわたってシリーズが中断したことでも知られる。優勝球団が全試合を通して1イニングも相手にリードを許さなかったのは1966年以来23年ぶり3度目、敗退球団が打線の最後の1巡に同点の走者すら出せなかったのも含めれば史上初と、試合内容としてはアスレチックスの完勝だった。シリーズMVPには、第1戦と第3戦に先発登板して計16イニングを投げ、2勝0敗・防御率1.69という成績を残したアスレチックスのデーブ・スチュワートが選出された。