1971年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第68回ワールドシリーズ(だい68かいワールドシリーズ、68th World Series)は、10月9日から17日にかけて計7試合が開催された。その結果、ピッツバーグ・パイレーツ(ナショナルリーグ)がボルチモア・オリオールズ(アメリカンリーグ)を4勝3敗で下し、11年ぶり4回目の優勝を果たした。 両チームの対戦はシリーズ史上初めて。第4戦はシリーズ史上初の夜間試合として開催され、NBCによる全米テレビ中継では最終第7戦をも上回る今シリーズ最高の視聴率を記録した。MLBの総収入における割合をみると、1970年頃にはテレビ放映権料が入場料を上回っており、これを受けて翌年以降も夜間試合が増えていくこととなる。シリーズMVPには、全7試合で安打を放ち打率.414・2本塁打・4打点・OPS 1.210という成績を残したパイレーツのロベルト・クレメンテが選出された。クレメンテは前回出場した1960年シリーズでも全7試合で安打を放っており、シリーズ通算14試合連続安打は、ハンク・バウアーの17試合に次いで当時2番目に長い記録だった。ただ、クレメンテは1972年12月に航空事故で死亡し、記録をさらに伸ばすことはできなかった。