門徒(もんと)とは、一門のともがらのことを指す呼び方である。ことに同じ門流に属して信仰を共にする人びとのことを言う。後には一寺に属する檀徒のことを言うこともある。ことに浄土真宗の檀徒・信者を「門徒」と呼ぶことが一般的であり、他宗派の檀徒を門徒と呼ぶことは少ない。このことで、「浄土真宗」を門徒宗と呼ぶこともある。 ○○地方の門徒を「○○門徒」と、地域単位で用いられる場合もある。(例…三河門徒・安芸門徒など) * 親鸞の和讃(『高僧和讃』)…「門徒につねにみせしめき」 * 覚如の『報恩講式』…「恒に門徒に語りて曰く」 * 蓮如の『御文』(『御文章』)…「よく信心決定したまはば、その末末の門徒までも、ことごとく今度の一大事の往生をとぐべきなり」 中世の文献では、師匠となる僧に師事する弟子たちを指して門徒と呼ぶ用例が多い。弟子である門徒に対して師匠となる僧は「知識」と呼ばれた。知識と門徒は単に教える教えられるという以上に、社会的に認められた保護者と絶対的な従属者の関係にあった。初期の時宗では門徒は教祖一遍に身命を捧げることが求められ、門徒集団から離脱することは「阿弥陀如来の請願からも除外され地獄に落ちる」行為とされた。