大気電気学(たいきでんきがく、英語:atmospheric electricity)とは、地球の大気(もしくはその他の惑星の大気)の電荷についての研究である。地球の地表、大気、電離層の間の電荷の運動はグローバル大気電気回路 (global atmospheric electrical circuit) として知られている。大気電気学は、静電気学、大気物理学、気象学、地球科学の概念とも関係する長い歴史を持つ学際的な分野である。 雷雨は大気において巨大なバッテリーとして働き、地表に対して約40万ボルトまで電気領域 (electrosphere) を充電する。これにより大気全体に電場が作られる。高度が高くになるにつれ電場は小さくなる。宇宙線と自然放射線により生成された大気イオンは電場内を移動するため、雷雨から離れていても非常に小さな電流が大気中を流れる。地表近くでは電場の大きさは平均約100 V/mである。 大気電気学には、雷雲に蓄積された大量の大気の電荷を急速に放電する雷を作り出す雷雨や、大気を中性にするのを妨げる宇宙線と自然放射線によるイオン化由来の大気の継続的帯電の両方が含まれる。