本項目では国際司法裁判所の判例の一覧について述べる。2022年3月2日現在、国際司法裁判所には182件の事案が付託され、15の事案が係属中である。国際司法裁判所の判例は大きく分けて係争事件と勧告的意見の二つに分けられ、係争事件においては国家のみが当事者となることができる。勧告的意見においては、例えば国連総会のような国連機関が意見を要請することができる。係争事件の判決当事者の間において、その特定の事案についてのみ拘束力を有することとされているが(ICJ規程第59条)、実際の裁判においては過去の裁判例が多く引用されている。勧告的意見には法的拘束力がないとされているが、判決には法的拘束力があるとされ、履行しない場合には国連安全保障理事会が対応する場合もある(国連憲章第94条)。