ノースダコタ州の地理(ノースダコタしゅうのちり)では、アメリカ合衆国中央最北部に位置する農業州ノースダコタ州における自然地理、人文地理の対象となる特徴、すなわち地形、気候、産業、交通、都市、民族について扱う。 ノースダコタの地質、地形、土壌を決定した要因は先カンブリア代における安定陸塊の形成、中生代白亜紀における海進、新世代更新世におけるローレンタイド氷床の発達にある。ここに大陸性の気候、すなわち年較差の大きな気温変化と乾燥限界に比較的近い降水量が保たれたことで、風土が形成された。すなわち平坦な地形と草原、特殊な土壌である。 ノースダコタは冷涼で乾燥した気候、地形、全ての土壌のうち最も肥沃なモリソルが州全域に分布していることから、農作物、特に「春小麦」の栽培に最適であり、カナダサスカチュワン州と並び、北アメリカ大陸最大の春小麦地帯として栄えている。全世界でもこのような土地はノースダコタ周辺とウクライナにのみ広がる。ノースダコタの春小麦は19世紀中盤の大陸横断鉄道の時代からダコタ小麦として著名であり、現在に至るまでその地位を保ってきた。州の経済活動は農業を中核としており、交通機関も農業のために役立っている。 9割近い土地が極めて規則的な区画に基づいた農地として利用されるなか、安定した農業生産に向かない地域では自然保護が重視されており、野生動物保護区の数は全米で最も多い。