ツリウム (英: thulium [ˈθjuːliəm]) は原子番号69の元素。元素記号は Tm。ランタノイド系列の13番目の元素である。他のランタノイドと同様に、もっとも一般的な酸化数は+3であり、酸化物、ハロゲン化物などの化合物で見られる。ただし、系列の後半であるため、+2の酸化数も結果生じるほぼ完全な4f殻によっても安定化される。水溶液中では、ほかの後半のランタノイドの化合物と同様に、可溶性のツリウム化合物は9つの水分子と錯体を形成する。 1879年、スウェーデンの化学者ペール・テオドール・クレーベは希土類酸化物であるエルビアからそれまで知られていなかった2つの成分を分離し、これをとツリアと呼んだ。これらはそれぞれホルミウムとツリウムの酸化物である。ツリウム金属の比較的純粋な試料は、1911年に初めて得られた。 地球上で微量にしか見られない放射能的に不安定なプロメチウムに次いで、ランタノイドで2番目に少ない元素である。加工が簡単な金属で、明るく銀灰色の光沢がある。かなり柔らかく空気中でゆっくりと変色する。高価で希少であるにもかかわらず、持ち運びできるX線装置や一部の固体レーザーの放射線源として使用されている。生物学的に重要な役割はなく、特に毒性はない。

Property Value
dbo:abstract
  • ツリウム (英: thulium [ˈθjuːliəm]) は原子番号69の元素。元素記号は Tm。ランタノイド系列の13番目の元素である。他のランタノイドと同様に、もっとも一般的な酸化数は+3であり、酸化物、ハロゲン化物などの化合物で見られる。ただし、系列の後半であるため、+2の酸化数も結果生じるほぼ完全な4f殻によっても安定化される。水溶液中では、ほかの後半のランタノイドの化合物と同様に、可溶性のツリウム化合物は9つの水分子と錯体を形成する。 1879年、スウェーデンの化学者ペール・テオドール・クレーベは希土類酸化物であるエルビアからそれまで知られていなかった2つの成分を分離し、これをとツリアと呼んだ。これらはそれぞれホルミウムとツリウムの酸化物である。ツリウム金属の比較的純粋な試料は、1911年に初めて得られた。 地球上で微量にしか見られない放射能的に不安定なプロメチウムに次いで、ランタノイドで2番目に少ない元素である。加工が簡単な金属で、明るく銀灰色の光沢がある。かなり柔らかく空気中でゆっくりと変色する。高価で希少であるにもかかわらず、持ち運びできるX線装置や一部の固体レーザーの放射線源として使用されている。生物学的に重要な役割はなく、特に毒性はない。 (ja)
  • ツリウム (英: thulium [ˈθjuːliəm]) は原子番号69の元素。元素記号は Tm。ランタノイド系列の13番目の元素である。他のランタノイドと同様に、もっとも一般的な酸化数は+3であり、酸化物、ハロゲン化物などの化合物で見られる。ただし、系列の後半であるため、+2の酸化数も結果生じるほぼ完全な4f殻によっても安定化される。水溶液中では、ほかの後半のランタノイドの化合物と同様に、可溶性のツリウム化合物は9つの水分子と錯体を形成する。 1879年、スウェーデンの化学者ペール・テオドール・クレーベは希土類酸化物であるエルビアからそれまで知られていなかった2つの成分を分離し、これをとツリアと呼んだ。これらはそれぞれホルミウムとツリウムの酸化物である。ツリウム金属の比較的純粋な試料は、1911年に初めて得られた。 地球上で微量にしか見られない放射能的に不安定なプロメチウムに次いで、ランタノイドで2番目に少ない元素である。加工が簡単な金属で、明るく銀灰色の光沢がある。かなり柔らかく空気中でゆっくりと変色する。高価で希少であるにもかかわらず、持ち運びできるX線装置や一部の固体レーザーの放射線源として使用されている。生物学的に重要な役割はなく、特に毒性はない。 (ja)
dbo:thumbnail
dbo:wikiPageExternalLink
dbo:wikiPageID
  • 10751 (xsd:integer)
dbo:wikiPageLength
  • 20646 (xsd:nonNegativeInteger)
dbo:wikiPageRevisionID
  • 89428603 (xsd:integer)
dbo:wikiPageWikiLink
prop-ja:1stIonizationEnergy
  • 596.700000 (xsd:double)
prop-ja:2ndIonizationEnergy
  • 1160 (xsd:integer)
prop-ja:3rdIonizationEnergy
  • 2285 (xsd:integer)
prop-ja:above
  • - (ja)
  • - (ja)
prop-ja:appearance
  • 銀白色 (ja)
  • 銀白色 (ja)
prop-ja:atomicMass
  • 168.934210 (xsd:double)
prop-ja:atomicRadius
  • 176 (xsd:integer)
prop-ja:below
prop-ja:block
  • f (ja)
  • f (ja)
prop-ja:boilingPointC
  • 1950 (xsd:integer)
prop-ja:boilingPointF
  • 3542 (xsd:integer)
prop-ja:boilingPointK
  • 2223 (xsd:integer)
prop-ja:brinellHardness
  • 471 (xsd:integer)
prop-ja:bulkModulus
  • 44.500000 (xsd:double)
prop-ja:casNumber
  • 7440 (xsd:integer)
prop-ja:covalentRadius
  • 190 (xsd:integer)
prop-ja:crystalStructure
  • hexagonal (ja)
  • hexagonal (ja)
prop-ja:densityGpcm3mp
  • 8.560000 (xsd:double)
prop-ja:densityGpcm3nrt
  • 9.320000 (xsd:double)
prop-ja:electricalResistivity
  • 676 (xsd:integer)
prop-ja:electronConfiguration
  • [Xe] 4f13 6s2 (ja)
  • [Xe] 4f13 6s2 (ja)
prop-ja:electronegativity
  • 1.250000 (xsd:double)
prop-ja:electronsPerShell
  • 28183182 (xsd:integer)
prop-ja:group
  • 3 (xsd:integer)
prop-ja:heatCapacity
  • 27.030000 (xsd:double)
prop-ja:heatFusion
  • 16.840000 (xsd:double)
prop-ja:heatVaporization
  • 247 (xsd:integer)
prop-ja:imageName
  • Thulium_sublimed_dendritic_and_1cm3_cube.jpg (ja)
  • Thulium_sublimed_dendritic_and_1cm3_cube.jpg (ja)
prop-ja:japaneseCrystalStructure
prop-ja:japaneseName
  • ツリウム (ja)
  • ツリウム (ja)
prop-ja:left
prop-ja:magneticOrdering
prop-ja:meltingPointC
  • 1545 (xsd:integer)
prop-ja:meltingPointF
  • 2813 (xsd:integer)
prop-ja:meltingPointK
  • 1818 (xsd:integer)
prop-ja:name
  • thulium (ja)
  • thulium (ja)
prop-ja:number
  • 69 (xsd:integer)
prop-ja:numberOfIonizationEnergies
  • 3 (xsd:integer)
prop-ja:oxidationStates
  • 234 (xsd:integer)
prop-ja:period
  • 6 (xsd:integer)
prop-ja:phase
  • 固体 (ja)
  • 固体 (ja)
prop-ja:poissonRatio
  • 0.213000 (xsd:double)
prop-ja:right
prop-ja:series
  • ランタノイド (ja)
  • ランタノイド (ja)
prop-ja:shearModulus
  • 30.500000 (xsd:double)
prop-ja:symbol
  • Tm (ja)
  • Tm (ja)
prop-ja:thermalConductivity
  • 16.900000 (xsd:double)
prop-ja:thermalExpansion
  • 13.300000 (xsd:double)
prop-ja:vaporPressure
  • 1117 (xsd:integer)
  • 1235 (xsd:integer)
  • 1381 (xsd:integer)
prop-ja:vaporPressure100K
  • (ja)
  • (ja)
prop-ja:vaporPressure10K
  • (ja)
  • (ja)
prop-ja:vaporPressure1K
  • 1570 (xsd:integer)
prop-ja:vickersHardness
  • 520 (xsd:integer)
prop-ja:wikiPageUsesTemplate
prop-ja:young'sModulus
  • 74 (xsd:integer)
dct:subject
rdfs:comment
  • ツリウム (英: thulium [ˈθjuːliəm]) は原子番号69の元素。元素記号は Tm。ランタノイド系列の13番目の元素である。他のランタノイドと同様に、もっとも一般的な酸化数は+3であり、酸化物、ハロゲン化物などの化合物で見られる。ただし、系列の後半であるため、+2の酸化数も結果生じるほぼ完全な4f殻によっても安定化される。水溶液中では、ほかの後半のランタノイドの化合物と同様に、可溶性のツリウム化合物は9つの水分子と錯体を形成する。 1879年、スウェーデンの化学者ペール・テオドール・クレーベは希土類酸化物であるエルビアからそれまで知られていなかった2つの成分を分離し、これをとツリアと呼んだ。これらはそれぞれホルミウムとツリウムの酸化物である。ツリウム金属の比較的純粋な試料は、1911年に初めて得られた。 地球上で微量にしか見られない放射能的に不安定なプロメチウムに次いで、ランタノイドで2番目に少ない元素である。加工が簡単な金属で、明るく銀灰色の光沢がある。かなり柔らかく空気中でゆっくりと変色する。高価で希少であるにもかかわらず、持ち運びできるX線装置や一部の固体レーザーの放射線源として使用されている。生物学的に重要な役割はなく、特に毒性はない。 (ja)
  • ツリウム (英: thulium [ˈθjuːliəm]) は原子番号69の元素。元素記号は Tm。ランタノイド系列の13番目の元素である。他のランタノイドと同様に、もっとも一般的な酸化数は+3であり、酸化物、ハロゲン化物などの化合物で見られる。ただし、系列の後半であるため、+2の酸化数も結果生じるほぼ完全な4f殻によっても安定化される。水溶液中では、ほかの後半のランタノイドの化合物と同様に、可溶性のツリウム化合物は9つの水分子と錯体を形成する。 1879年、スウェーデンの化学者ペール・テオドール・クレーベは希土類酸化物であるエルビアからそれまで知られていなかった2つの成分を分離し、これをとツリアと呼んだ。これらはそれぞれホルミウムとツリウムの酸化物である。ツリウム金属の比較的純粋な試料は、1911年に初めて得られた。 地球上で微量にしか見られない放射能的に不安定なプロメチウムに次いで、ランタノイドで2番目に少ない元素である。加工が簡単な金属で、明るく銀灰色の光沢がある。かなり柔らかく空気中でゆっくりと変色する。高価で希少であるにもかかわらず、持ち運びできるX線装置や一部の固体レーザーの放射線源として使用されている。生物学的に重要な役割はなく、特に毒性はない。 (ja)
rdfs:label
  • ツリウム (ja)
  • ツリウム (ja)
owl:sameAs
prov:wasDerivedFrom
foaf:depiction
foaf:isPrimaryTopicOf
is dbo:wikiPageRedirects of
is dbo:wikiPageWikiLink of
is prop-ja:above of
is prop-ja:knownFor of
is prop-ja:left of
is prop-ja:right of
is owl:sameAs of
is foaf:primaryTopic of