数学における「乗法的積分」(じょうほうてきせきぶん、英: "product integral")は、古典微分積分学において通常の積分がある種の和の極限と見做されることに並行して、その乗法版となるものを指す示唆的な呼称である。原初の乗法的積分は、1887年にヴィト・ヴォルテラが線型微分方程式系を解くために用いた(後述)。そのほか、乗法的積分の例には幾何積分 (geometric integral)、第二幾何積分 (bigeometric integral) など非ニュートン微分積分学におけるいくつかの積分を挙げることができる。 本項ではヴォルテラらに倣い、乗法的積分を表すのに積分記号 ∫(や、それに積記号 × や P を重ねた変形版)ではなく ∏ を用いる。