『キリストの変容』(キリストのへんよう、伊: Trasfigurazione)は、イタリアの盛期ルネサンス期の巨匠、ラファエロ・サンティによる最後の絵画である。ジュリオ・デ・メディチ枢機卿、後の教皇クレメンス7世(1523年 - 1534年)の依頼により、フランスのナルボンヌ大聖堂の祭壇画として着想された。ラファエロが1520年に亡くなるまで取り組んだ本作は、ラファエロの芸術家としての発展と画業の集大成を示している。キリスト教芸術におけるイエス・キリストの変容の描写としては珍しく、主題は絵画の下部にある福音書の「変容」に続く次の逸話(憑依された少年の癒し)と組み合わされている。現在、ヴァチカン市国にあるヴァチカン美術館 (絵画館) に所蔵されている。 16世紀後半(ルネサンス時代)から20世紀初頭まで、世界で最も有名な油彩画と言われていた。