鮮于 煇(ソヌ・フィ、朝鮮語:선우 휘、1922年1月3日 - 1986年6月12日)は、韓国の小説家、ジャーナリスト、右翼活動家。 1950年代を代表する作家であり、代表作「火花」がそうであるように、歪んだ現実を果敢な行動力によって切り開こうとする男性的な面が強く表れている。その剛直さのために保守的に傾くことが多く、左翼イデオロギーを是が非でも認めない固い一面もある。 国会議員の鮮于煉は弟、朝鮮日報東京特派員を務めた鮮于鉦は息子である。 鮮于煇の文学世界は、「状況文学」「行動文学」と言われている。その元になっているのは、「行動的なヒューマニズム」である。初期の代表作である「炎」においては、緊迫した状況の中で、行動への意志を表しているからである。それから、「追跡のフィナーレ」においては、非人間的な組織の力、あるいは権力への人間性喪失に対する強い否定と人間の本性に対する尊重に基づいている。しかし、「十字架のないゴルゴタ」のような作品では、次第に行動文学から沈黙文学へと変わっていく姿を見せたりもしている。これは、彼が初期に提示していた行動への意志が個人対全体、人間対イデオロギーのような二文法に基づいているに過ぎず、歴史性を持つところまでは進んでいない。