長尾山古墳(ながおやまこふん)は兵庫県宝塚市の長尾山丘陵の尾根上に立地する、4世紀初頭の古墳時代前期前半に築造された前方後円墳である。古墳の規模は全長41メートルと大きくないものの、本格的な排水設備を設けた全国的に見ても規模の大きい粘土槨を埋葬施設とし、また葺石、段築、円筒埴輪を有し、古墳時代前期における有力古墳の特徴を備えている。このことから猪名川水系で最初に築造されたと考えられる長尾山古墳の被葬者は、ヤマト王権中枢部といち早く関係を結んでいたものと推測されている。