鍾南山(しょう なんざん、チョン・ナンシャン、中国語: 钟南山、1936年10月20日 - )は、中華人民共和国の医師、医学者、衛生学者、現国家衛生健康委員会専門家グループ長。専門は疫学、呼吸器学、臨床医学。 2002年から2003年にかけての重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染拡大時には、感染の中心地となった広東省で広州市呼吸器疾病研究所の所長を務めていた。今まで知られていない呼吸器疾患の重症患者を相次いで受け入れ治療したことから異常を察知し、広東省のSARS医療救護専門家指導チームを率いて省内各地で防疫・治療活動を行い、この病気についての論文ではじめてSARSという病名を提案した。重症のSARS患者を自身が所長を務める広州市呼吸器疾病研究所へ積極的に受け入れ、有効な治療法を見出して死亡率や入院期間を低減させた。SARSの脅威を低く見積もる中華人民共和国衛生部や中国疾病予防管理センター(中国疾病預防控制中心)の見解に異を唱え、感染の実態を隠蔽して実態と異なる発表を行う政権に立ち向かって事態の深刻さを訴えたことでも、世界的に知られるようになった。