艶紅(ひかりべに・つやべに)とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素。本紅ともいう。古くは口紅としても使われ、特に上質のものは京都で精製されたため「京紅」とも呼ぶ。 紅花から分離した色素の溶液を、紅が退色しないように蓋が付いた白色の陶器の椀や猪口(伏せておけば光が入らないため)、あるいは貝殻に何度も塗り重ねて乾燥させた状態で販売されており、上質のものは非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われた。なお、容器は再び紅を買う時に紅屋に持っていって紅を塗ってもらう事があったようだ。 純度が高い赤い色素故に赤い光を吸収してしまい、反対色である緑色の輝きを放つため、乾燥した状態では玉虫色に見える。江戸時代には、玉虫色の輝きを放つ紅は良質なものとされ「小町紅」という名で販売された。水を含ませると赤色になるが、唇などに塗り重ねると、やはり、玉虫色がかった色になる。 使用する際は、水を含ませた化粧用の細い紅筆で少しずつ紅を溶きながら唇に塗り重ねてゆくか、直接指で紅を取ることもあった。そのため昔は薬指のことを「紅点し指」と呼んだ事もある。

Property Value
dbo:abstract
  • 艶紅(ひかりべに・つやべに)とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素。本紅ともいう。古くは口紅としても使われ、特に上質のものは京都で精製されたため「京紅」とも呼ぶ。 紅花から分離した色素の溶液を、紅が退色しないように蓋が付いた白色の陶器の椀や猪口(伏せておけば光が入らないため)、あるいは貝殻に何度も塗り重ねて乾燥させた状態で販売されており、上質のものは非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われた。なお、容器は再び紅を買う時に紅屋に持っていって紅を塗ってもらう事があったようだ。 純度が高い赤い色素故に赤い光を吸収してしまい、反対色である緑色の輝きを放つため、乾燥した状態では玉虫色に見える。江戸時代には、玉虫色の輝きを放つ紅は良質なものとされ「小町紅」という名で販売された。水を含ませると赤色になるが、唇などに塗り重ねると、やはり、玉虫色がかった色になる。 使用する際は、水を含ませた化粧用の細い紅筆で少しずつ紅を溶きながら唇に塗り重ねてゆくか、直接指で紅を取ることもあった。そのため昔は薬指のことを「紅点し指」と呼んだ事もある。 (ja)
  • 艶紅(ひかりべに・つやべに)とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素。本紅ともいう。古くは口紅としても使われ、特に上質のものは京都で精製されたため「京紅」とも呼ぶ。 紅花から分離した色素の溶液を、紅が退色しないように蓋が付いた白色の陶器の椀や猪口(伏せておけば光が入らないため)、あるいは貝殻に何度も塗り重ねて乾燥させた状態で販売されており、上質のものは非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われた。なお、容器は再び紅を買う時に紅屋に持っていって紅を塗ってもらう事があったようだ。 純度が高い赤い色素故に赤い光を吸収してしまい、反対色である緑色の輝きを放つため、乾燥した状態では玉虫色に見える。江戸時代には、玉虫色の輝きを放つ紅は良質なものとされ「小町紅」という名で販売された。水を含ませると赤色になるが、唇などに塗り重ねると、やはり、玉虫色がかった色になる。 使用する際は、水を含ませた化粧用の細い紅筆で少しずつ紅を溶きながら唇に塗り重ねてゆくか、直接指で紅を取ることもあった。そのため昔は薬指のことを「紅点し指」と呼んだ事もある。 (ja)
dbo:wikiPageID
  • 743882 (xsd:integer)
dbo:wikiPageLength
  • 1732 (xsd:nonNegativeInteger)
dbo:wikiPageRevisionID
  • 70603074 (xsd:integer)
dbo:wikiPageWikiLink
prop-ja:wikiPageUsesTemplate
dct:subject
rdfs:comment
  • 艶紅(ひかりべに・つやべに)とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素。本紅ともいう。古くは口紅としても使われ、特に上質のものは京都で精製されたため「京紅」とも呼ぶ。 紅花から分離した色素の溶液を、紅が退色しないように蓋が付いた白色の陶器の椀や猪口(伏せておけば光が入らないため)、あるいは貝殻に何度も塗り重ねて乾燥させた状態で販売されており、上質のものは非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われた。なお、容器は再び紅を買う時に紅屋に持っていって紅を塗ってもらう事があったようだ。 純度が高い赤い色素故に赤い光を吸収してしまい、反対色である緑色の輝きを放つため、乾燥した状態では玉虫色に見える。江戸時代には、玉虫色の輝きを放つ紅は良質なものとされ「小町紅」という名で販売された。水を含ませると赤色になるが、唇などに塗り重ねると、やはり、玉虫色がかった色になる。 使用する際は、水を含ませた化粧用の細い紅筆で少しずつ紅を溶きながら唇に塗り重ねてゆくか、直接指で紅を取ることもあった。そのため昔は薬指のことを「紅点し指」と呼んだ事もある。 (ja)
  • 艶紅(ひかりべに・つやべに)とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素。本紅ともいう。古くは口紅としても使われ、特に上質のものは京都で精製されたため「京紅」とも呼ぶ。 紅花から分離した色素の溶液を、紅が退色しないように蓋が付いた白色の陶器の椀や猪口(伏せておけば光が入らないため)、あるいは貝殻に何度も塗り重ねて乾燥させた状態で販売されており、上質のものは非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われた。なお、容器は再び紅を買う時に紅屋に持っていって紅を塗ってもらう事があったようだ。 純度が高い赤い色素故に赤い光を吸収してしまい、反対色である緑色の輝きを放つため、乾燥した状態では玉虫色に見える。江戸時代には、玉虫色の輝きを放つ紅は良質なものとされ「小町紅」という名で販売された。水を含ませると赤色になるが、唇などに塗り重ねると、やはり、玉虫色がかった色になる。 使用する際は、水を含ませた化粧用の細い紅筆で少しずつ紅を溶きながら唇に塗り重ねてゆくか、直接指で紅を取ることもあった。そのため昔は薬指のことを「紅点し指」と呼んだ事もある。 (ja)
rdfs:label
  • 艶紅 (ja)
  • 艶紅 (ja)
owl:sameAs
prov:wasDerivedFrom
foaf:isPrimaryTopicOf
is dbo:wikiPageRedirects of
is dbo:wikiPageWikiLink of
is owl:sameAs of
is foaf:primaryTopic of