甲州枡(こうしゅうます)は、江戸時代に甲斐国で用いられた枡。 『甲斐国志』(以下『国志』)国法之部に拠れば、甲斐四郡のうち都留郡を除く山梨郡、八代郡、巨摩郡の国中三郡で通用していた独自の制度。大小切税法、甲州金とともに甲州三法と呼ばれ、戦国期の武田氏時代の遺制であるとする伝承を持つ。通称は国枡で、別称に大桝、信玄枡とも呼称される。 甲州枡は武田氏時代の由緒を持つ職人が作成し、村方では穀物を計量する日用器具であったほか農耕儀礼にも用いられるなど聖性を帯びた存在であったが、酒や油の計量には京枡も用いられた。