浪打峠の交叉層(なみうちとうげのこうさそう)は、岩手県二戸郡一戸町の浪打峠にある国の天然記念物に指定された大規模な偽層(クロスラミナ・英語: cross-lamination)である。浪打峠は一戸町と二戸市の境界にある峠であるが、国の天然記念物に指定された交叉層(以下、偽層またはクロスラミナと記載する)は峠の一戸町側に所在する。 偽層とは、流れのある水中もしくは大気中で、砂や泥などが堆積するときに生じたもので、地表に現れた地層の層理面に斜めに交わる縞模様の葉理(ラミナ、英: lamination)が見られるものを言う。交叉層という言葉は天然記念物に指定された当時の古典的な地質用語であって、今日では偽層またはクロスラミナと言い、このような堆積構造を一般的に斜交層理(英語: cross-bedding)、斜交葉理(英語: cross-lamination)と呼んでいる。 浪打峠の交叉層は浅い海底で新旧の堆積物が不規則に交わり形成されたもので、貝殻を含んだ砂岩が峠の切通しに露出しており、その様子が激しく打ち寄せる波浪に侵食された海辺を連想させることから、古くから奥州街道の名勝として知られ、浪打峠と呼ばれるようになったと考えられている。

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  • 浪打峠の交叉層(なみうちとうげのこうさそう)は、岩手県二戸郡一戸町の浪打峠にある国の天然記念物に指定された大規模な偽層(クロスラミナ・英語: cross-lamination)である。浪打峠は一戸町と二戸市の境界にある峠であるが、国の天然記念物に指定された交叉層(以下、偽層またはクロスラミナと記載する)は峠の一戸町側に所在する。 偽層とは、流れのある水中もしくは大気中で、砂や泥などが堆積するときに生じたもので、地表に現れた地層の層理面に斜めに交わる縞模様の葉理(ラミナ、英: lamination)が見られるものを言う。交叉層という言葉は天然記念物に指定された当時の古典的な地質用語であって、今日では偽層またはクロスラミナと言い、このような堆積構造を一般的に斜交層理(英語: cross-bedding)、斜交葉理(英語: cross-lamination)と呼んでいる。 浪打峠の交叉層は浅い海底で新旧の堆積物が不規則に交わり形成されたもので、貝殻を含んだ砂岩が峠の切通しに露出しており、その様子が激しく打ち寄せる波浪に侵食された海辺を連想させることから、古くから奥州街道の名勝として知られ、浪打峠と呼ばれるようになったと考えられている。 クロスラミナは決して珍しい地質現象ではないものの、浪打峠のものは規模が大きく露出状態も優れて美しい、浅海性クロスラミナの顕著な例であり、1941年(昭和16年)8月1日に国の天然記念物に指定された。偽層を対象としたものとしては唯一の国指定天然記念物である。 (ja)
  • 浪打峠の交叉層(なみうちとうげのこうさそう)は、岩手県二戸郡一戸町の浪打峠にある国の天然記念物に指定された大規模な偽層(クロスラミナ・英語: cross-lamination)である。浪打峠は一戸町と二戸市の境界にある峠であるが、国の天然記念物に指定された交叉層(以下、偽層またはクロスラミナと記載する)は峠の一戸町側に所在する。 偽層とは、流れのある水中もしくは大気中で、砂や泥などが堆積するときに生じたもので、地表に現れた地層の層理面に斜めに交わる縞模様の葉理(ラミナ、英: lamination)が見られるものを言う。交叉層という言葉は天然記念物に指定された当時の古典的な地質用語であって、今日では偽層またはクロスラミナと言い、このような堆積構造を一般的に斜交層理(英語: cross-bedding)、斜交葉理(英語: cross-lamination)と呼んでいる。 浪打峠の交叉層は浅い海底で新旧の堆積物が不規則に交わり形成されたもので、貝殻を含んだ砂岩が峠の切通しに露出しており、その様子が激しく打ち寄せる波浪に侵食された海辺を連想させることから、古くから奥州街道の名勝として知られ、浪打峠と呼ばれるようになったと考えられている。 クロスラミナは決して珍しい地質現象ではないものの、浪打峠のものは規模が大きく露出状態も優れて美しい、浅海性クロスラミナの顕著な例であり、1941年(昭和16年)8月1日に国の天然記念物に指定された。偽層を対象としたものとしては唯一の国指定天然記念物である。 (ja)
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  • 浪打峠の交叉層(なみうちとうげのこうさそう)は、岩手県二戸郡一戸町の浪打峠にある国の天然記念物に指定された大規模な偽層(クロスラミナ・英語: cross-lamination)である。浪打峠は一戸町と二戸市の境界にある峠であるが、国の天然記念物に指定された交叉層(以下、偽層またはクロスラミナと記載する)は峠の一戸町側に所在する。 偽層とは、流れのある水中もしくは大気中で、砂や泥などが堆積するときに生じたもので、地表に現れた地層の層理面に斜めに交わる縞模様の葉理(ラミナ、英: lamination)が見られるものを言う。交叉層という言葉は天然記念物に指定された当時の古典的な地質用語であって、今日では偽層またはクロスラミナと言い、このような堆積構造を一般的に斜交層理(英語: cross-bedding)、斜交葉理(英語: cross-lamination)と呼んでいる。 浪打峠の交叉層は浅い海底で新旧の堆積物が不規則に交わり形成されたもので、貝殻を含んだ砂岩が峠の切通しに露出しており、その様子が激しく打ち寄せる波浪に侵食された海辺を連想させることから、古くから奥州街道の名勝として知られ、浪打峠と呼ばれるようになったと考えられている。 (ja)
  • 浪打峠の交叉層(なみうちとうげのこうさそう)は、岩手県二戸郡一戸町の浪打峠にある国の天然記念物に指定された大規模な偽層(クロスラミナ・英語: cross-lamination)である。浪打峠は一戸町と二戸市の境界にある峠であるが、国の天然記念物に指定された交叉層(以下、偽層またはクロスラミナと記載する)は峠の一戸町側に所在する。 偽層とは、流れのある水中もしくは大気中で、砂や泥などが堆積するときに生じたもので、地表に現れた地層の層理面に斜めに交わる縞模様の葉理(ラミナ、英: lamination)が見られるものを言う。交叉層という言葉は天然記念物に指定された当時の古典的な地質用語であって、今日では偽層またはクロスラミナと言い、このような堆積構造を一般的に斜交層理(英語: cross-bedding)、斜交葉理(英語: cross-lamination)と呼んでいる。 浪打峠の交叉層は浅い海底で新旧の堆積物が不規則に交わり形成されたもので、貝殻を含んだ砂岩が峠の切通しに露出しており、その様子が激しく打ち寄せる波浪に侵食された海辺を連想させることから、古くから奥州街道の名勝として知られ、浪打峠と呼ばれるようになったと考えられている。 (ja)
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