民族誌映画(みんぞくしえいが)とは非欧米諸国の歴史や文化を取り上げたドキュメンタリー映画を含むノンフィクション映画全般を指す。明確な定義は存在しないが、このジャンルは人類学、民俗学といった近接する学術分野とともに発展していったと考えられる。専門家の間では、この種の映画は人類学というよりドキュメンタリー映画であるという意見と、その中間に位置するといった意見が存在する。人類学者で民族誌映画作家でもあるデイヴィッド・マクドーガルは1978年に発表した論文の中で「民族誌映画はジャンルを確立するわけでもなく、民族誌映画製作の確固たる起源および普遍的な方法論を示すわけでもでもない」と書いている。1948年に最初の民族誌映画についての学会がパリの人類学博物館において開かれて以来、民族誌映画という用語は映画学と社会学における種々雑多な試みに一種の統合性を与えながら、象徴的に機能してきた。
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