原核緑藻 (げんかくりょくそう、英: prochlorophytes) は、クロロフィルb(またはジビニルクロロフィルb)をもつ特異な藍藻 (シアノバクテリア) のことである。単細胞性のプロクロロン属 (Prochloron) とプロクロロコッカス属 (Prochlorococcus)、糸状性のプロクロロトリックス属 (プロクロロスリックス属 Prochlorothrix) の3属が知られている。この3属は生態的にも大きく異なるが、このうちプロクロロコッカス属(右図)はピコプランクトンとして外洋で優占しており、地球上で最も個体数が多い生物ともいわれる。

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  • 原核緑藻 (げんかくりょくそう、英: prochlorophytes) は、クロロフィルb(またはジビニルクロロフィルb)をもつ特異な藍藻 (シアノバクテリア) のことである。単細胞性のプロクロロン属 (Prochloron) とプロクロロコッカス属 (Prochlorococcus)、糸状性のプロクロロトリックス属 (プロクロロスリックス属 Prochlorothrix) の3属が知られている。この3属は生態的にも大きく異なるが、このうちプロクロロコッカス属(右図)はピコプランクトンとして外洋で優占しており、地球上で最も個体数が多い生物ともいわれる。 原核緑藻は、その光合成色素組成から、発見当初は藍藻とは異なる原核藻類群であるとして原核緑色植物門 (学名: Prochlorophyta) に分類され、また同じクロロフィル b をもつことから、緑色植物の葉緑体の起源となったのではないかとも考えられていた。しかしその後の研究から、原核緑藻の3属は系統的には藍藻の中に含まれること、この3属は互いに近縁ではないこと、そして緑色植物の葉緑体とは系統的に無関係であることが明らかとなった。つまり原核緑藻は独立した生物群ではなく、現在では特殊な藍藻であると考えられている。そのため「原核緑藻」という名は分類群名として扱われることはないが、一般名としてはしばしば用いられる。また原核生物としては、オキシクロロバクテリア (oxychlorobacteria) やクロロキシバクテリア (chloroxybacteria) とよばれることもある。 (ja)
  • 原核緑藻 (げんかくりょくそう、英: prochlorophytes) は、クロロフィルb(またはジビニルクロロフィルb)をもつ特異な藍藻 (シアノバクテリア) のことである。単細胞性のプロクロロン属 (Prochloron) とプロクロロコッカス属 (Prochlorococcus)、糸状性のプロクロロトリックス属 (プロクロロスリックス属 Prochlorothrix) の3属が知られている。この3属は生態的にも大きく異なるが、このうちプロクロロコッカス属(右図)はピコプランクトンとして外洋で優占しており、地球上で最も個体数が多い生物ともいわれる。 原核緑藻は、その光合成色素組成から、発見当初は藍藻とは異なる原核藻類群であるとして原核緑色植物門 (学名: Prochlorophyta) に分類され、また同じクロロフィル b をもつことから、緑色植物の葉緑体の起源となったのではないかとも考えられていた。しかしその後の研究から、原核緑藻の3属は系統的には藍藻の中に含まれること、この3属は互いに近縁ではないこと、そして緑色植物の葉緑体とは系統的に無関係であることが明らかとなった。つまり原核緑藻は独立した生物群ではなく、現在では特殊な藍藻であると考えられている。そのため「原核緑藻」という名は分類群名として扱われることはないが、一般名としてはしばしば用いられる。また原核生物としては、オキシクロロバクテリア (oxychlorobacteria) やクロロキシバクテリア (chloroxybacteria) とよばれることもある。 (ja)
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  • 藍藻の系統仮説の一例。いくつかの系統解析結果に基づく。●は原核緑藻3属を示す。 (ja)
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  • 原核緑藻 (げんかくりょくそう、英: prochlorophytes) は、クロロフィルb(またはジビニルクロロフィルb)をもつ特異な藍藻 (シアノバクテリア) のことである。単細胞性のプロクロロン属 (Prochloron) とプロクロロコッカス属 (Prochlorococcus)、糸状性のプロクロロトリックス属 (プロクロロスリックス属 Prochlorothrix) の3属が知られている。この3属は生態的にも大きく異なるが、このうちプロクロロコッカス属(右図)はピコプランクトンとして外洋で優占しており、地球上で最も個体数が多い生物ともいわれる。 (ja)
  • 原核緑藻 (げんかくりょくそう、英: prochlorophytes) は、クロロフィルb(またはジビニルクロロフィルb)をもつ特異な藍藻 (シアノバクテリア) のことである。単細胞性のプロクロロン属 (Prochloron) とプロクロロコッカス属 (Prochlorococcus)、糸状性のプロクロロトリックス属 (プロクロロスリックス属 Prochlorothrix) の3属が知られている。この3属は生態的にも大きく異なるが、このうちプロクロロコッカス属(右図)はピコプランクトンとして外洋で優占しており、地球上で最も個体数が多い生物ともいわれる。 (ja)
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  • 原核緑藻 (ja)
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