単位胞(たんいぼう、英語: unit cell)とは、結晶中の空間格子の格子点がつくる平行6面体のうち、空間格子の構造単位として選ばれたものである。単位格子と言うこともある。つまり、単位胞は結晶構造の周期パターンの単位となる平行6面体であり、結晶構造は単位胞の敷き詰めで表現される。 単位胞の頂点から伸びる、3つの稜を表す3本のベクトル〈a, b, c〉は基本ベクトルと呼ばれる。ベクトルの大きさ〈距離〉と単位ベクトルの成す角、α=∠bc、β=∠ca、γ=∠abは単位胞の格子定数と呼ばれる。 頂点以外に空間格子の格子点を含まない単位格子を単純単位格子と呼び、頂点以外にも格子点を含む場合は多重単位格子と呼ぶ。 単純単位格子のうち、距離 a, b, c が最短になるように選択した単純単位格子は既約単位格子と呼ばれる。その場合、α、β、γはすべて鈍角かすべて鋭角となる。 多重単位格子には、、が含まれる。 ある空間格子が存在するとき、格子点に違いがなければ一つの空間格子に対して複数種類の単位胞を設定することが可能である。実際の結晶では、つまりイオン結晶などでは格子点に異なる原子・分子等が配置されるため単位胞の選択に対して対称性・並進性に関する制約が発生する。

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  • 単位胞(たんいぼう、英語: unit cell)とは、結晶中の空間格子の格子点がつくる平行6面体のうち、空間格子の構造単位として選ばれたものである。単位格子と言うこともある。つまり、単位胞は結晶構造の周期パターンの単位となる平行6面体であり、結晶構造は単位胞の敷き詰めで表現される。 単位胞の頂点から伸びる、3つの稜を表す3本のベクトル〈a, b, c〉は基本ベクトルと呼ばれる。ベクトルの大きさ〈距離〉と単位ベクトルの成す角、α=∠bc、β=∠ca、γ=∠abは単位胞の格子定数と呼ばれる。 頂点以外に空間格子の格子点を含まない単位格子を単純単位格子と呼び、頂点以外にも格子点を含む場合は多重単位格子と呼ぶ。 単純単位格子のうち、距離 a, b, c が最短になるように選択した単純単位格子は既約単位格子と呼ばれる。その場合、α、β、γはすべて鈍角かすべて鋭角となる。 多重単位格子には、、が含まれる。 ある空間格子が存在するとき、格子点に違いがなければ一つの空間格子に対して複数種類の単位胞を設定することが可能である。実際の結晶では、つまりイオン結晶などでは格子点に異なる原子・分子等が配置されるため単位胞の選択に対して対称性・並進性に関する制約が発生する。 (ja)
  • 単位胞(たんいぼう、英語: unit cell)とは、結晶中の空間格子の格子点がつくる平行6面体のうち、空間格子の構造単位として選ばれたものである。単位格子と言うこともある。つまり、単位胞は結晶構造の周期パターンの単位となる平行6面体であり、結晶構造は単位胞の敷き詰めで表現される。 単位胞の頂点から伸びる、3つの稜を表す3本のベクトル〈a, b, c〉は基本ベクトルと呼ばれる。ベクトルの大きさ〈距離〉と単位ベクトルの成す角、α=∠bc、β=∠ca、γ=∠abは単位胞の格子定数と呼ばれる。 頂点以外に空間格子の格子点を含まない単位格子を単純単位格子と呼び、頂点以外にも格子点を含む場合は多重単位格子と呼ぶ。 単純単位格子のうち、距離 a, b, c が最短になるように選択した単純単位格子は既約単位格子と呼ばれる。その場合、α、β、γはすべて鈍角かすべて鋭角となる。 多重単位格子には、、が含まれる。 ある空間格子が存在するとき、格子点に違いがなければ一つの空間格子に対して複数種類の単位胞を設定することが可能である。実際の結晶では、つまりイオン結晶などでは格子点に異なる原子・分子等が配置されるため単位胞の選択に対して対称性・並進性に関する制約が発生する。 (ja)
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  • 単位胞(たんいぼう、英語: unit cell)とは、結晶中の空間格子の格子点がつくる平行6面体のうち、空間格子の構造単位として選ばれたものである。単位格子と言うこともある。つまり、単位胞は結晶構造の周期パターンの単位となる平行6面体であり、結晶構造は単位胞の敷き詰めで表現される。 単位胞の頂点から伸びる、3つの稜を表す3本のベクトル〈a, b, c〉は基本ベクトルと呼ばれる。ベクトルの大きさ〈距離〉と単位ベクトルの成す角、α=∠bc、β=∠ca、γ=∠abは単位胞の格子定数と呼ばれる。 頂点以外に空間格子の格子点を含まない単位格子を単純単位格子と呼び、頂点以外にも格子点を含む場合は多重単位格子と呼ぶ。 単純単位格子のうち、距離 a, b, c が最短になるように選択した単純単位格子は既約単位格子と呼ばれる。その場合、α、β、γはすべて鈍角かすべて鋭角となる。 多重単位格子には、、が含まれる。 ある空間格子が存在するとき、格子点に違いがなければ一つの空間格子に対して複数種類の単位胞を設定することが可能である。実際の結晶では、つまりイオン結晶などでは格子点に異なる原子・分子等が配置されるため単位胞の選択に対して対称性・並進性に関する制約が発生する。 (ja)
  • 単位胞(たんいぼう、英語: unit cell)とは、結晶中の空間格子の格子点がつくる平行6面体のうち、空間格子の構造単位として選ばれたものである。単位格子と言うこともある。つまり、単位胞は結晶構造の周期パターンの単位となる平行6面体であり、結晶構造は単位胞の敷き詰めで表現される。 単位胞の頂点から伸びる、3つの稜を表す3本のベクトル〈a, b, c〉は基本ベクトルと呼ばれる。ベクトルの大きさ〈距離〉と単位ベクトルの成す角、α=∠bc、β=∠ca、γ=∠abは単位胞の格子定数と呼ばれる。 頂点以外に空間格子の格子点を含まない単位格子を単純単位格子と呼び、頂点以外にも格子点を含む場合は多重単位格子と呼ぶ。 単純単位格子のうち、距離 a, b, c が最短になるように選択した単純単位格子は既約単位格子と呼ばれる。その場合、α、β、γはすべて鈍角かすべて鋭角となる。 多重単位格子には、、が含まれる。 ある空間格子が存在するとき、格子点に違いがなければ一つの空間格子に対して複数種類の単位胞を設定することが可能である。実際の結晶では、つまりイオン結晶などでは格子点に異なる原子・分子等が配置されるため単位胞の選択に対して対称性・並進性に関する制約が発生する。 (ja)
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