『十字路』(じゅうじろ)は、1928年(昭和3年)に公開された日本映画である。監督・脚本は衣笠貞之助。従来の時代劇映画とは異なる剣戟場面のない作品で、下町の貧しい姉弟がふとした迷いから破滅の道を辿るという悲惨な物語が描かれる。1920年代のドイツ表現主義映画やの影響を受けており、表現主義風にゆがんだ舞台装置を作るなど、当時の日本映画としては尖端的な表現技法を試みた前衛映画である。本作はフランスやドイツなどでも公開されており、欧米の映画館で公開され注目を集めた最初の日本映画となった。