リチウム・硫黄電池(Li-S電池、リチウム・いおうでんち)は高い比エネルギーで注目される二次電池の一種。負極にアルカリ金属のリチウム(Li)、正極に硫黄(S)を使用した電池である。リチウムの原子量が小さく、硫黄の原子量もコバルトなどの遷移金属より小さいことから、Li-S電池は比較的軽量である。硫黄の理論容量は1670mAh/g程度あり、従来のリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウム (LiCoO2、約140mAh/g) の10倍程度と高いうえ、硫黄の資源量が豊富で安価なためリチウムイオン電池の後継になり得るとされている。 現在Li-S電池の比エネルギーは最高500Wh/kg程度であり、大部分で150-250Wh/kgの範囲に留まるリチウムイオン電池よりもずっと優れている。また、充放電サイクルも最大1,500回まで実証されている。2014年初めの時点では商業的に入手可能なものはなかった。Li-S電池の課題は硫黄陰極の電気伝導度が低いことであり、このために導電材が余分に必要となりコストと重量が嵩んでいる。現在は高導電性陰極を見出すことに焦点をあてて研究が行われている。 電極での反応は以下の通りである。 * 正極 : * 負極 :

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  • リチウム・硫黄電池(Li-S電池、リチウム・いおうでんち)は高い比エネルギーで注目される二次電池の一種。負極にアルカリ金属のリチウム(Li)、正極に硫黄(S)を使用した電池である。リチウムの原子量が小さく、硫黄の原子量もコバルトなどの遷移金属より小さいことから、Li-S電池は比較的軽量である。硫黄の理論容量は1670mAh/g程度あり、従来のリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウム (LiCoO2、約140mAh/g) の10倍程度と高いうえ、硫黄の資源量が豊富で安価なためリチウムイオン電池の後継になり得るとされている。 現在Li-S電池の比エネルギーは最高500Wh/kg程度であり、大部分で150-250Wh/kgの範囲に留まるリチウムイオン電池よりもずっと優れている。また、充放電サイクルも最大1,500回まで実証されている。2014年初めの時点では商業的に入手可能なものはなかった。Li-S電池の課題は硫黄陰極の電気伝導度が低いことであり、このために導電材が余分に必要となりコストと重量が嵩んでいる。現在は高導電性陰極を見出すことに焦点をあてて研究が行われている。 電極での反応は以下の通りである。 * 正極 : * 負極 : (ja)
  • リチウム・硫黄電池(Li-S電池、リチウム・いおうでんち)は高い比エネルギーで注目される二次電池の一種。負極にアルカリ金属のリチウム(Li)、正極に硫黄(S)を使用した電池である。リチウムの原子量が小さく、硫黄の原子量もコバルトなどの遷移金属より小さいことから、Li-S電池は比較的軽量である。硫黄の理論容量は1670mAh/g程度あり、従来のリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウム (LiCoO2、約140mAh/g) の10倍程度と高いうえ、硫黄の資源量が豊富で安価なためリチウムイオン電池の後継になり得るとされている。 現在Li-S電池の比エネルギーは最高500Wh/kg程度であり、大部分で150-250Wh/kgの範囲に留まるリチウムイオン電池よりもずっと優れている。また、充放電サイクルも最大1,500回まで実証されている。2014年初めの時点では商業的に入手可能なものはなかった。Li-S電池の課題は硫黄陰極の電気伝導度が低いことであり、このために導電材が余分に必要となりコストと重量が嵩んでいる。現在は高導電性陰極を見出すことに焦点をあてて研究が行われている。 電極での反応は以下の通りである。 * 正極 : * 負極 : (ja)
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  • セル電圧は放電中に2.5 - 1.7Vの範囲で非線形に変化する。電池は3V用にパッケージ化されることが多い (ja)
  • セル電圧は放電中に2.5 - 1.7Vの範囲で非線形に変化する。電池は3V用にパッケージ化されることが多い (ja)
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  • リチウム・硫黄電池(Li-S電池、リチウム・いおうでんち)は高い比エネルギーで注目される二次電池の一種。負極にアルカリ金属のリチウム(Li)、正極に硫黄(S)を使用した電池である。リチウムの原子量が小さく、硫黄の原子量もコバルトなどの遷移金属より小さいことから、Li-S電池は比較的軽量である。硫黄の理論容量は1670mAh/g程度あり、従来のリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウム (LiCoO2、約140mAh/g) の10倍程度と高いうえ、硫黄の資源量が豊富で安価なためリチウムイオン電池の後継になり得るとされている。 現在Li-S電池の比エネルギーは最高500Wh/kg程度であり、大部分で150-250Wh/kgの範囲に留まるリチウムイオン電池よりもずっと優れている。また、充放電サイクルも最大1,500回まで実証されている。2014年初めの時点では商業的に入手可能なものはなかった。Li-S電池の課題は硫黄陰極の電気伝導度が低いことであり、このために導電材が余分に必要となりコストと重量が嵩んでいる。現在は高導電性陰極を見出すことに焦点をあてて研究が行われている。 電極での反応は以下の通りである。 * 正極 : * 負極 : (ja)
  • リチウム・硫黄電池(Li-S電池、リチウム・いおうでんち)は高い比エネルギーで注目される二次電池の一種。負極にアルカリ金属のリチウム(Li)、正極に硫黄(S)を使用した電池である。リチウムの原子量が小さく、硫黄の原子量もコバルトなどの遷移金属より小さいことから、Li-S電池は比較的軽量である。硫黄の理論容量は1670mAh/g程度あり、従来のリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウム (LiCoO2、約140mAh/g) の10倍程度と高いうえ、硫黄の資源量が豊富で安価なためリチウムイオン電池の後継になり得るとされている。 現在Li-S電池の比エネルギーは最高500Wh/kg程度であり、大部分で150-250Wh/kgの範囲に留まるリチウムイオン電池よりもずっと優れている。また、充放電サイクルも最大1,500回まで実証されている。2014年初めの時点では商業的に入手可能なものはなかった。Li-S電池の課題は硫黄陰極の電気伝導度が低いことであり、このために導電材が余分に必要となりコストと重量が嵩んでいる。現在は高導電性陰極を見出すことに焦点をあてて研究が行われている。 電極での反応は以下の通りである。 * 正極 : * 負極 : (ja)
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  • リチウム・硫黄電池 (ja)
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