ベイジアンゲーム (英: bayesian game) とは、他のプレーヤーの特性 (利得など) に関する情報が不完備であるゲームである。ジョン・ハーサニの枠組みに従うと、ベイジアンゲームは、ゲームに自然 (Nature) というプレーヤーを導入することでモデル化できる。自然は各プレーヤーに、そのプレーヤーのタイプの値をとる確率変数を割りあて、それらのタイプの上に確率ないし確率密度関数を関連づける (ゲーム理論の教科書では、自然は各プレーヤーのタイプ空間の上の確率分布に従ってタイプを無作為に選ぶとする)。このようにベイジアンゲームをモデル化するハーサニの手法では、不完備情報のゲームは不完全情報のゲーム (すべてのプレーヤーにとってゲームの歴史がわからないもの) に変えられている。プレーヤーのタイプはそのプレーヤーの利得関数を決定する。そのタイプに関連づけられる確率は、そのタイプが特定化されるプレーヤーがそのタイプである確率である。ベイジアンゲームで情報の不完備性というのは、少なくとも1人のプレーヤーが他のプレーヤーのタイプ (利得関数) について確信がないということを意味している。

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  • ベイジアンゲーム (英: bayesian game) とは、他のプレーヤーの特性 (利得など) に関する情報が不完備であるゲームである。ジョン・ハーサニの枠組みに従うと、ベイジアンゲームは、ゲームに自然 (Nature) というプレーヤーを導入することでモデル化できる。自然は各プレーヤーに、そのプレーヤーのタイプの値をとる確率変数を割りあて、それらのタイプの上に確率ないし確率密度関数を関連づける (ゲーム理論の教科書では、自然は各プレーヤーのタイプ空間の上の確率分布に従ってタイプを無作為に選ぶとする)。このようにベイジアンゲームをモデル化するハーサニの手法では、不完備情報のゲームは不完全情報のゲーム (すべてのプレーヤーにとってゲームの歴史がわからないもの) に変えられている。プレーヤーのタイプはそのプレーヤーの利得関数を決定する。そのタイプに関連づけられる確率は、そのタイプが特定化されるプレーヤーがそのタイプである確率である。ベイジアンゲームで情報の不完備性というのは、少なくとも1人のプレーヤーが他のプレーヤーのタイプ (利得関数) について確信がないということを意味している。 このようなゲームは、ゲームに備わっている確率的分析のためにベイジアンと呼ばれている。プレーヤーたちは各プレーヤーのタイプについて事前の信念をもっており (ここで信念とは、プレーヤーのとりうるタイプの上の確率分布)、ゲームにおいて行動がとられるにつれてベイズルールに従って信念を更新しうる、すなわち、他のプレーヤーのタイプについてプレーヤーがもつ信念は、プレーヤーたちがとった行動にもとづいて変化していく。プレーヤーたちがもっている情報の不足と、信念のモデリングとは、このようなゲームが不完備情報のシナリオを分析するためにも使えることを意味している。 (ja)
  • ベイジアンゲーム (英: bayesian game) とは、他のプレーヤーの特性 (利得など) に関する情報が不完備であるゲームである。ジョン・ハーサニの枠組みに従うと、ベイジアンゲームは、ゲームに自然 (Nature) というプレーヤーを導入することでモデル化できる。自然は各プレーヤーに、そのプレーヤーのタイプの値をとる確率変数を割りあて、それらのタイプの上に確率ないし確率密度関数を関連づける (ゲーム理論の教科書では、自然は各プレーヤーのタイプ空間の上の確率分布に従ってタイプを無作為に選ぶとする)。このようにベイジアンゲームをモデル化するハーサニの手法では、不完備情報のゲームは不完全情報のゲーム (すべてのプレーヤーにとってゲームの歴史がわからないもの) に変えられている。プレーヤーのタイプはそのプレーヤーの利得関数を決定する。そのタイプに関連づけられる確率は、そのタイプが特定化されるプレーヤーがそのタイプである確率である。ベイジアンゲームで情報の不完備性というのは、少なくとも1人のプレーヤーが他のプレーヤーのタイプ (利得関数) について確信がないということを意味している。 このようなゲームは、ゲームに備わっている確率的分析のためにベイジアンと呼ばれている。プレーヤーたちは各プレーヤーのタイプについて事前の信念をもっており (ここで信念とは、プレーヤーのとりうるタイプの上の確率分布)、ゲームにおいて行動がとられるにつれてベイズルールに従って信念を更新しうる、すなわち、他のプレーヤーのタイプについてプレーヤーがもつ信念は、プレーヤーたちがとった行動にもとづいて変化していく。プレーヤーたちがもっている情報の不足と、信念のモデリングとは、このようなゲームが不完備情報のシナリオを分析するためにも使えることを意味している。 (ja)
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  • ベイジアンゲーム (英: bayesian game) とは、他のプレーヤーの特性 (利得など) に関する情報が不完備であるゲームである。ジョン・ハーサニの枠組みに従うと、ベイジアンゲームは、ゲームに自然 (Nature) というプレーヤーを導入することでモデル化できる。自然は各プレーヤーに、そのプレーヤーのタイプの値をとる確率変数を割りあて、それらのタイプの上に確率ないし確率密度関数を関連づける (ゲーム理論の教科書では、自然は各プレーヤーのタイプ空間の上の確率分布に従ってタイプを無作為に選ぶとする)。このようにベイジアンゲームをモデル化するハーサニの手法では、不完備情報のゲームは不完全情報のゲーム (すべてのプレーヤーにとってゲームの歴史がわからないもの) に変えられている。プレーヤーのタイプはそのプレーヤーの利得関数を決定する。そのタイプに関連づけられる確率は、そのタイプが特定化されるプレーヤーがそのタイプである確率である。ベイジアンゲームで情報の不完備性というのは、少なくとも1人のプレーヤーが他のプレーヤーのタイプ (利得関数) について確信がないということを意味している。 (ja)
  • ベイジアンゲーム (英: bayesian game) とは、他のプレーヤーの特性 (利得など) に関する情報が不完備であるゲームである。ジョン・ハーサニの枠組みに従うと、ベイジアンゲームは、ゲームに自然 (Nature) というプレーヤーを導入することでモデル化できる。自然は各プレーヤーに、そのプレーヤーのタイプの値をとる確率変数を割りあて、それらのタイプの上に確率ないし確率密度関数を関連づける (ゲーム理論の教科書では、自然は各プレーヤーのタイプ空間の上の確率分布に従ってタイプを無作為に選ぶとする)。このようにベイジアンゲームをモデル化するハーサニの手法では、不完備情報のゲームは不完全情報のゲーム (すべてのプレーヤーにとってゲームの歴史がわからないもの) に変えられている。プレーヤーのタイプはそのプレーヤーの利得関数を決定する。そのタイプに関連づけられる確率は、そのタイプが特定化されるプレーヤーがそのタイプである確率である。ベイジアンゲームで情報の不完備性というのは、少なくとも1人のプレーヤーが他のプレーヤーのタイプ (利得関数) について確信がないということを意味している。 (ja)
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  • ベイジアンゲーム (ja)
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