年代記、クロニコン(ラテン語: Chronicon)は、ヒエロニムスが著した普遍史年代記である。380年ごろにコンスタンティノープルで編纂されており、エウセビオスのの一部(325年 - 379年)をラテン語に翻訳したものも組み込んでいる。エウセビオスによる部分、ヒエロニムスによる部分のいずれにも膨大な数の誤りがみられるが、一方でこの年代記はカッシオドルスら後の年代記者につながる年代記編纂の先鞭をつけたものとして重要である。エウセビオスの年代記に基づき、ヒエロニムスは天地創造をの出来事とした。 ヒエロニムスの年代記はアポロドーロス、ディオドロス、エウセビオスらヘレニズム学者たちの研究に基づき、ギリシア神話の要素を多く取り入れている。古い時代の記述は極めて史実性に欠けているが、12世紀以降のミケーネ文明に関する記述が散見されることは注目に値する。またトロイア陥落を1183年とする記述は、実際のトロイア遺跡第7層発掘から予想されている年代(紀元前1190年ごろ)と合致している。