パッサカリア(伊: passacaglia, 西: pasacalle, 仏: passacaille, 独: passacalia)は、主に17世紀から18世紀にかけて用いられた音楽形式の1つ。 パッサカリアはスペインに起源を持ち、スペイン語の pasear (歩く)と calle (通り)に由来している。パッサカリアは17世紀初期にはギターで和音を奏するリトルネッロ(歌の前奏・間奏などの器楽演奏部分)を意味していた。 パッサカリアに対する言及は1605年頃のスペインの文献に初めて現れる。によるギターのためのタブラチュア Nuova inventione d'intavolatura per sonare li balletti sopra la chitarra spagniuola (1606年)に収録されているパッサカリアは I-IV-V-I という和音連続である。通常の記譜法で書かれたパッサカリアの最初の例はジローラモ・フレスコバルディの『トッカータ集第2巻』(1627年)の Partite sopra passacagli である。 フランスではパッサカリア(パッサカーユ)は荘重な3拍子の器楽舞曲として扱われるようになった。しばしばロンド形式をとり、シャコンヌとの区別は曖昧となった。