ノーマッド(Nomad )とはイギリスのネイピア・アンド・サン(以下ネイピア)が1950年前後に開発した航空機用の液冷式水平対向12気筒2ストローク・ディーゼルエンジンである。 主任技師はE.E.チャッタートン(E.E.Chatterton )。通常のレシプロ機関による出力に加え、ターボチャージャーやターボコンパウンドと類似した仕組でタービンを介して排気のエネルギーを回収し、さらに排気流による推力を得られるような工夫が施されていた。ディーゼルエンジンにこのような機構を組み込むことにより低燃費と大出力(3,000 hp以上)を同時に実現することに成功したが、試験に手間取っている内により扱いやすいジェットエンジンが普及し、量産・発展を見ることなく終わった。