ダントロレン(Dantrolene)とは筋弛緩薬の一つである。リアノジン受容体を遮断して横行小管から筋小胞体への興奮の伝達過程を遮断することにより筋小胞体からのCa2+の遊離を抑制し、筋弛緩を引き起こす。商品名ダントリウム。 全身麻酔で稀に引き起こされる悪性高熱症の治療の第一選択薬である。悪性症候群、筋痙縮(脳梗塞後、対麻痺、脳性麻痺、多発性硬化症)、2,4-ジニトロフェノール毒性の治療にも用いられる。 日本では社が製造販売している。経口薬と注射剤があるが、2015年現在、経口剤「ダントリウムカプセル25㎎」の薬価が1カプセル22.1円なのに対し、注射薬「ダントリウム静注用20mg」の薬価は一瓶9215円と高価であり、常備している病院が少ないという問題を抱えている。 悪性高熱症に備えて病院には720mg(体重70kgの患者を想定)のダントロレンを備蓄すべきだとする意見がある。