薬理学や生化学において、アロステリック調節因子(アロステリックちょうせついんし、英語: allosteric modulator)は、受容体に結合してその受容体の刺激に対する反応を変化させる物質群である。ベンゾジアゼピンのように医薬品となるものもある。アロステリック調節因子が結合する部位(=アロステリック部位)は、内因性の受容体の作動物質が結合する部位(=オルソステリック部位)とは異なる。調節因子と作動物質はどちらも受容体リガンドと呼ぶことが出来る。 アロステリック調節因子には、陽性(positive)、陰性(negative)、中性(neutral, silent)の3つのタイプがある。陽性タイプは作動物質が受容体に結合する確率を高めたり(親和性)、受容体を活性化する能力を高めたり(有効性)、あるいはその両方により、受容体の反応を増大させる。陰性タイプは作動物質の親和性や有効性を低下させる。中性タイプは作動物質の活性には影響を与えないが、他の調節因子がアロステリック部位に結合するのを阻止することができる。調節因子の中にはアロステリック作動物質として機能するものもある。

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  • 薬理学や生化学において、アロステリック調節因子(アロステリックちょうせついんし、英語: allosteric modulator)は、受容体に結合してその受容体の刺激に対する反応を変化させる物質群である。ベンゾジアゼピンのように医薬品となるものもある。アロステリック調節因子が結合する部位(=アロステリック部位)は、内因性の受容体の作動物質が結合する部位(=オルソステリック部位)とは異なる。調節因子と作動物質はどちらも受容体リガンドと呼ぶことが出来る。 アロステリック調節因子には、陽性(positive)、陰性(negative)、中性(neutral, silent)の3つのタイプがある。陽性タイプは作動物質が受容体に結合する確率を高めたり(親和性)、受容体を活性化する能力を高めたり(有効性)、あるいはその両方により、受容体の反応を増大させる。陰性タイプは作動物質の親和性や有効性を低下させる。中性タイプは作動物質の活性には影響を与えないが、他の調節因子がアロステリック部位に結合するのを阻止することができる。調節因子の中にはアロステリック作動物質として機能するものもある。 「アロステリック」という言葉は、ギリシャ語に由来する。allosは「他の」、stereosは「固体」または「形状」を意味する。これは「他の形」と訳すことができ、調節因子によって引き起こされる受容体内の構造変化を示し、調節因子が受容体の機能に影響を与えることを意味している。 (ja)
  • 薬理学や生化学において、アロステリック調節因子(アロステリックちょうせついんし、英語: allosteric modulator)は、受容体に結合してその受容体の刺激に対する反応を変化させる物質群である。ベンゾジアゼピンのように医薬品となるものもある。アロステリック調節因子が結合する部位(=アロステリック部位)は、内因性の受容体の作動物質が結合する部位(=オルソステリック部位)とは異なる。調節因子と作動物質はどちらも受容体リガンドと呼ぶことが出来る。 アロステリック調節因子には、陽性(positive)、陰性(negative)、中性(neutral, silent)の3つのタイプがある。陽性タイプは作動物質が受容体に結合する確率を高めたり(親和性)、受容体を活性化する能力を高めたり(有効性)、あるいはその両方により、受容体の反応を増大させる。陰性タイプは作動物質の親和性や有効性を低下させる。中性タイプは作動物質の活性には影響を与えないが、他の調節因子がアロステリック部位に結合するのを阻止することができる。調節因子の中にはアロステリック作動物質として機能するものもある。 「アロステリック」という言葉は、ギリシャ語に由来する。allosは「他の」、stereosは「固体」または「形状」を意味する。これは「他の形」と訳すことができ、調節因子によって引き起こされる受容体内の構造変化を示し、調節因子が受容体の機能に影響を与えることを意味している。 (ja)
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  • 薬理学や生化学において、アロステリック調節因子(アロステリックちょうせついんし、英語: allosteric modulator)は、受容体に結合してその受容体の刺激に対する反応を変化させる物質群である。ベンゾジアゼピンのように医薬品となるものもある。アロステリック調節因子が結合する部位(=アロステリック部位)は、内因性の受容体の作動物質が結合する部位(=オルソステリック部位)とは異なる。調節因子と作動物質はどちらも受容体リガンドと呼ぶことが出来る。 アロステリック調節因子には、陽性(positive)、陰性(negative)、中性(neutral, silent)の3つのタイプがある。陽性タイプは作動物質が受容体に結合する確率を高めたり(親和性)、受容体を活性化する能力を高めたり(有効性)、あるいはその両方により、受容体の反応を増大させる。陰性タイプは作動物質の親和性や有効性を低下させる。中性タイプは作動物質の活性には影響を与えないが、他の調節因子がアロステリック部位に結合するのを阻止することができる。調節因子の中にはアロステリック作動物質として機能するものもある。 (ja)
  • 薬理学や生化学において、アロステリック調節因子(アロステリックちょうせついんし、英語: allosteric modulator)は、受容体に結合してその受容体の刺激に対する反応を変化させる物質群である。ベンゾジアゼピンのように医薬品となるものもある。アロステリック調節因子が結合する部位(=アロステリック部位)は、内因性の受容体の作動物質が結合する部位(=オルソステリック部位)とは異なる。調節因子と作動物質はどちらも受容体リガンドと呼ぶことが出来る。 アロステリック調節因子には、陽性(positive)、陰性(negative)、中性(neutral, silent)の3つのタイプがある。陽性タイプは作動物質が受容体に結合する確率を高めたり(親和性)、受容体を活性化する能力を高めたり(有効性)、あるいはその両方により、受容体の反応を増大させる。陰性タイプは作動物質の親和性や有効性を低下させる。中性タイプは作動物質の活性には影響を与えないが、他の調節因子がアロステリック部位に結合するのを阻止することができる。調節因子の中にはアロステリック作動物質として機能するものもある。 (ja)
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  • アロステリック調節因子 (ja)
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