1997年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第93回ワールドシリーズ(93rd World Series)は、10月18日から26日にかけて計7試合が開催された。その結果、フロリダ・マーリンズ(ナショナルリーグ)がクリーブランド・インディアンス(アメリカンリーグ)を4勝3敗で下し、球団創設5年目で初の優勝を果たした。 地区優勝を逃した中で最も勝率の高い球団にポストシーズン出場枠を与えるワイルドカード制度が1994年に導入されて以来、ワイルドカード球団のシリーズ出場・優勝はともに初めて。また、1961年以降のエクスパンションによって創設された球団が5年目で優勝するのは、当時の史上最速記録である。しかし球団オーナーのはこの年の球団収支が3400万ドルの赤字だったとして、優勝から16日後にモイゼス・アルーをトレードしたのを皮切りに、ロブ・ネンやジェフ・コーナインなどの主力選手を次々と放出する "ファイアーセール" を敢行する。翌1998年、マーリンズは54勝108敗・勝率.333と、前年シリーズ優勝球団として史上最低の成績に終わった。シリーズMVPには、2試合13.2イニングで2勝0敗・防御率5.27という成績を残したマーリンズのリバン・ヘルナンデスが選出された。