本稿では金星の大気(きんせいのたいき)について述べる。 太陽系で太陽に2番目に近い惑星である金星の大気は、地球の大気と大きく異なっている。地球の大気に比べて金星の大気は密度も温度も高く、より高い高度まで続いている。その大気に浮かぶ雲はアルベド(反射能)が高く、レーダーや他の手段を利用しない限り地表を見ることができない。そのため、1978年に打ち上げられた探査機パイオニア・ヴィーナス1号が到着してレーダー探査を実施するまでは、金星の地表を調べられなかった。