『福家警部補の挨拶』(ふくいえけいぶほのあいさつ)は、大倉崇裕による日本の短編推理小説集「福家警部補シリーズ」の第1作。シリーズ続刊として2009年に『福家警部補の再訪』(ふくいえけいぶほのさいほう)、2013年に『福家警部補の報告』(ふくいえけいぶほのほうこく)が刊行されており、本項ではシリーズ全体についても述べる。単行本は創元クライム・クラブレーベル、文庫本は創元推理文庫より刊行される。 女性刑事・福家警部補を主人公とする本格ミステリシリーズの第1作で、形式はいわゆる倒叙モノである。著者は大の「刑事コロンボシリーズ」のファンであり、シリーズの小説版の執筆(英語小説は存在せず、映像とシナリオの翻訳から直接日本語でノベライズされた)を手がけたこともある。ヒロインにはコロンボのほか、風采の冴えない探偵としては元祖であるブラウン神父に共通する描写(目をパチパチさせる、傘をうまく扱えない、一見気弱そうなのに無頼漢などには結構強気に対応できる、小柄でしばしば大男と凸凹コンビを組むなど)も与えられている。3人ともファミリーネームしか判明していない(ブラウンはイニシャルJのみ)点も、共通している。 2007年度の本格ミステリベスト10で第8位にランクインした。