ミトロヒン文書(ミトロヒンぶんしょ、英語:Mitrokhin Archive)は、1992年3月に旧ソビエト連邦からイギリスに亡命した元ソ連国家保安委員会 (KGB) の幹部要員であったワシリー・ミトロヒンが密かにソ連から持ち出したスパイ活動や防諜(カウンター・インテリジェンス)、宣伝・プロパガンダ工作、積極工作も含む機密文書。ミトロヒン文書が重要である理由は、ヴェノナ文書とは第二次世界大戦前後の時期のアメリカでの工作が中心であり、とは、コミンテルン本部と欧州の支部や現地共産党との通信が主体でそれぞれ戦間期と第二次世界大戦中2年間が対象であるのに対して、KGB文書であるために時代は1918年から1980年代初期まで、地理的には英米ヨーロッパ・中東・アフリカ・アジア・ラテンアメリカを含む世界全域に及んでいることにある。ヨーロッパの国で文書に出てこない国は、アンドラとモナコとリヒテンシュタインだけであるくらい、時代的・地理的範囲がソ連から流出した他の文書と比べて圧倒的に広い。