オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(オーステナイト・フェライトけいステンレスこう)とは、常温で金属組織が主にオーステナイト相とフェライト相から成るステンレス鋼である。二相ステンレス鋼(にそう-)や二相系ステンレス鋼(にそうけい-)とも呼ばれる。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とはステンレス鋼の金属組織別分類の一つで、他には「オーステナイト系ステンレス鋼」「フェライト系ステンレス鋼」「マルテンサイト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある。1930年頃、スウェーデンのによって最初に実用化された。(以下、簡略のためにオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のことを二相系と呼ぶ。) ステンレス鋼の耐食性の源となる合金元素はクロムで、二相系では主要合金元素としてそこにニッケル、モリブデン、窒素が加わる。二相系というグループの中に、さらに「汎用二相ステンレス鋼」「スーパー二相ステンレス鋼」「ハイパー二相ステンレス鋼」「リーン二相ステンレス鋼」という大まかな分類がある。汎用二相系、スーパー二相系、ハイパー二相系の順で合金元素が多量で耐食性や強度が優れる。リーン二相系は、コストを抑えつつ、オーステナイト系ステンレス鋼の標準鋼に相当する耐食性を確保した鋼種である。

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  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(オーステナイト・フェライトけいステンレスこう)とは、常温で金属組織が主にオーステナイト相とフェライト相から成るステンレス鋼である。二相ステンレス鋼(にそう-)や二相系ステンレス鋼(にそうけい-)とも呼ばれる。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とはステンレス鋼の金属組織別分類の一つで、他には「オーステナイト系ステンレス鋼」「フェライト系ステンレス鋼」「マルテンサイト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある。1930年頃、スウェーデンのによって最初に実用化された。(以下、簡略のためにオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のことを二相系と呼ぶ。) ステンレス鋼の耐食性の源となる合金元素はクロムで、二相系では主要合金元素としてそこにニッケル、モリブデン、窒素が加わる。二相系というグループの中に、さらに「汎用二相ステンレス鋼」「スーパー二相ステンレス鋼」「ハイパー二相ステンレス鋼」「リーン二相ステンレス鋼」という大まかな分類がある。汎用二相系、スーパー二相系、ハイパー二相系の順で合金元素が多量で耐食性や強度が優れる。リーン二相系は、コストを抑えつつ、オーステナイト系ステンレス鋼の標準鋼に相当する耐食性を確保した鋼種である。 密度、電気抵抗、熱抵抗、熱膨張率、弾性率といった、二相系の物理的性質は、オーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ステンレス鋼のほぼ中間に位置する。二相系の強度特性は、微細な結晶粒や高合金元素量によって、ステンレス鋼の中でも概して優れる。オーステナイト系のおよそ2倍の降伏強度を持つ。具体的な鋼種によるが、クロムを高濃度に含むため二相系の耐食性は高い。特にオーステナイト系と比較すると、応力腐食割れへの耐性が高いのが長所である。二相系を溶接する上では、熱影響部での組織変化に注意を要する。切削加工のは優れず、どちらといえば難削材に位置づけられる。ステンレス鋼の中で二相系の利用はまだ限定的だが、海水環境にある部位、油井や橋梁などで使用されている。 (ja)
  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(オーステナイト・フェライトけいステンレスこう)とは、常温で金属組織が主にオーステナイト相とフェライト相から成るステンレス鋼である。二相ステンレス鋼(にそう-)や二相系ステンレス鋼(にそうけい-)とも呼ばれる。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とはステンレス鋼の金属組織別分類の一つで、他には「オーステナイト系ステンレス鋼」「フェライト系ステンレス鋼」「マルテンサイト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある。1930年頃、スウェーデンのによって最初に実用化された。(以下、簡略のためにオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のことを二相系と呼ぶ。) ステンレス鋼の耐食性の源となる合金元素はクロムで、二相系では主要合金元素としてそこにニッケル、モリブデン、窒素が加わる。二相系というグループの中に、さらに「汎用二相ステンレス鋼」「スーパー二相ステンレス鋼」「ハイパー二相ステンレス鋼」「リーン二相ステンレス鋼」という大まかな分類がある。汎用二相系、スーパー二相系、ハイパー二相系の順で合金元素が多量で耐食性や強度が優れる。リーン二相系は、コストを抑えつつ、オーステナイト系ステンレス鋼の標準鋼に相当する耐食性を確保した鋼種である。 密度、電気抵抗、熱抵抗、熱膨張率、弾性率といった、二相系の物理的性質は、オーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ステンレス鋼のほぼ中間に位置する。二相系の強度特性は、微細な結晶粒や高合金元素量によって、ステンレス鋼の中でも概して優れる。オーステナイト系のおよそ2倍の降伏強度を持つ。具体的な鋼種によるが、クロムを高濃度に含むため二相系の耐食性は高い。特にオーステナイト系と比較すると、応力腐食割れへの耐性が高いのが長所である。二相系を溶接する上では、熱影響部での組織変化に注意を要する。切削加工のは優れず、どちらといえば難削材に位置づけられる。ステンレス鋼の中で二相系の利用はまだ限定的だが、海水環境にある部位、油井や橋梁などで使用されている。 (ja)
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  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(オーステナイト・フェライトけいステンレスこう)とは、常温で金属組織が主にオーステナイト相とフェライト相から成るステンレス鋼である。二相ステンレス鋼(にそう-)や二相系ステンレス鋼(にそうけい-)とも呼ばれる。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とはステンレス鋼の金属組織別分類の一つで、他には「オーステナイト系ステンレス鋼」「フェライト系ステンレス鋼」「マルテンサイト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある。1930年頃、スウェーデンのによって最初に実用化された。(以下、簡略のためにオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のことを二相系と呼ぶ。) ステンレス鋼の耐食性の源となる合金元素はクロムで、二相系では主要合金元素としてそこにニッケル、モリブデン、窒素が加わる。二相系というグループの中に、さらに「汎用二相ステンレス鋼」「スーパー二相ステンレス鋼」「ハイパー二相ステンレス鋼」「リーン二相ステンレス鋼」という大まかな分類がある。汎用二相系、スーパー二相系、ハイパー二相系の順で合金元素が多量で耐食性や強度が優れる。リーン二相系は、コストを抑えつつ、オーステナイト系ステンレス鋼の標準鋼に相当する耐食性を確保した鋼種である。 (ja)
  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(オーステナイト・フェライトけいステンレスこう)とは、常温で金属組織が主にオーステナイト相とフェライト相から成るステンレス鋼である。二相ステンレス鋼(にそう-)や二相系ステンレス鋼(にそうけい-)とも呼ばれる。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とはステンレス鋼の金属組織別分類の一つで、他には「オーステナイト系ステンレス鋼」「フェライト系ステンレス鋼」「マルテンサイト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある。1930年頃、スウェーデンのによって最初に実用化された。(以下、簡略のためにオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のことを二相系と呼ぶ。) ステンレス鋼の耐食性の源となる合金元素はクロムで、二相系では主要合金元素としてそこにニッケル、モリブデン、窒素が加わる。二相系というグループの中に、さらに「汎用二相ステンレス鋼」「スーパー二相ステンレス鋼」「ハイパー二相ステンレス鋼」「リーン二相ステンレス鋼」という大まかな分類がある。汎用二相系、スーパー二相系、ハイパー二相系の順で合金元素が多量で耐食性や強度が優れる。リーン二相系は、コストを抑えつつ、オーステナイト系ステンレス鋼の標準鋼に相当する耐食性を確保した鋼種である。 (ja)
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  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 (ja)
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