長谷雄草紙(はせおぞうし)は、平安初期の文人・紀長谷雄にまつわる日本の絵巻物である。紙本著色、1巻で詞絵とも5段。縦29.6X横1001.9cm。永青文庫蔵、重要文化財。鎌倉から南北朝時代頃の作か。この物語の基本構造は、民間説話の笑い話「鼻高扇」と一致しており、元は優れた貴族の滑稽譚として成立したと見られる。物語の成立は鎌倉末まで遡ると考えられ、その短く平明な話の筋は後のお伽草紙の萌芽を示している。