辰国(しんこく、?-?)は『史記』『漢書』によると、衛氏朝鮮の時代(紀元前2世紀)に朝鮮半島の南部に存在したとされる国である。辰国という名称はすでに『史記』『漢書』にみえるが、その内容についてやや詳細な記録を残しているのは『三国志』魏志東夷列伝である。しかし、『三国志』の記事がきわめて断片的であり、なおかつ矛盾した箇所もあるため、古来から辰国の存在・性格については諸家の見解が一定せず、後述のように、これは写本のミスによって生まれた錯誤でそもそも実在しなかったという説もある(→)。記録は少なく、その詳細はほとんどわからない。