辰丸事件(たつまるじけん)は、1908年に澳門沖で起きた清朝の巡視船による日本船拿捕事件。第二辰丸はマカオのポルトガル人鉄砲商の発注品を輸送中だったが、武器密輸の嫌疑をかけられ、拘留され日章旗が撤去された。事件後、清朝側が日本からの5つの要求(辰丸無条件釈放、謝罪礼砲、損害賠償、官吏処分、兵器買収)を受け入れたことにより、広東省で排日運動が起こり、広東商人が大きな勢力を有していた華南地域や東南アジアなどにも波及した。中国における排日運動の先駆けとなった有名な事件。