神経神話(しんけいしんわ、英語: neuromyths)とは、脳科学をよそおった非科学的な理論群の総称。 脳の働きに関係するもの、すなわち脳科学の分野において、科学的根拠が存在しないか、もしくは研究途上である証明が不完全な内容のものを、さも事実であるかのように世間に流布しているものについてが、特に神経神話と呼ばれる。具体的には、 * 人間の脳は全体の10%しか使っていない * 右脳人間・左脳人間が存在する * 幼児期に速やかに学習しないと後々影響が出る(いわゆる臨界期) * 男性の脳と女性の脳は違う * 日本人は虫の音を「声」として認識できる などの類で、これらはすべて、根拠が明確でない、俗にいうエセ科学に分類される内容でもある。この神経神話は世間に根強く存在し、根拠がないにもかかわらず、テレビ番組や映画の題材となることで、さも現実的な理論であるかのように誤解を生んでいる節がある。 日本のテレビドラマでは、木村拓哉主演の『MR.BRAIN』(2009年,TBS。脳は全体の5%しか活動をしてない、という前提が設定に含まれている)など、海外の映画では、リュック・ベッソン監督による『LUCY/ルーシー』(2014年。人類の脳は10%しか使われておらず、それを100%用いることによって超人的な力が発揮される、という設定)などがその典型例である。

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  • 神経神話(しんけいしんわ、英語: neuromyths)とは、脳科学をよそおった非科学的な理論群の総称。 脳の働きに関係するもの、すなわち脳科学の分野において、科学的根拠が存在しないか、もしくは研究途上である証明が不完全な内容のものを、さも事実であるかのように世間に流布しているものについてが、特に神経神話と呼ばれる。具体的には、 * 人間の脳は全体の10%しか使っていない * 右脳人間・左脳人間が存在する * 幼児期に速やかに学習しないと後々影響が出る(いわゆる臨界期) * 男性の脳と女性の脳は違う * 日本人は虫の音を「声」として認識できる などの類で、これらはすべて、根拠が明確でない、俗にいうエセ科学に分類される内容でもある。この神経神話は世間に根強く存在し、根拠がないにもかかわらず、テレビ番組や映画の題材となることで、さも現実的な理論であるかのように誤解を生んでいる節がある。 日本のテレビドラマでは、木村拓哉主演の『MR.BRAIN』(2009年,TBS。脳は全体の5%しか活動をしてない、という前提が設定に含まれている)など、海外の映画では、リュック・ベッソン監督による『LUCY/ルーシー』(2014年。人類の脳は10%しか使われておらず、それを100%用いることによって超人的な力が発揮される、という設定)などがその典型例である。 近年では、経済協力開発機構(OECD)などが研究を進め、日本語訳として『脳からみた学習 -新しい学習科学の誕生』なども刊行され、神経神話を克服するための、正しい脳科学に関する啓蒙活動が行われているが、それでもテレビ・メディアやインターネットを中心に、なお根強く神経神話が喧伝され続けている。 (ja)
  • 神経神話(しんけいしんわ、英語: neuromyths)とは、脳科学をよそおった非科学的な理論群の総称。 脳の働きに関係するもの、すなわち脳科学の分野において、科学的根拠が存在しないか、もしくは研究途上である証明が不完全な内容のものを、さも事実であるかのように世間に流布しているものについてが、特に神経神話と呼ばれる。具体的には、 * 人間の脳は全体の10%しか使っていない * 右脳人間・左脳人間が存在する * 幼児期に速やかに学習しないと後々影響が出る(いわゆる臨界期) * 男性の脳と女性の脳は違う * 日本人は虫の音を「声」として認識できる などの類で、これらはすべて、根拠が明確でない、俗にいうエセ科学に分類される内容でもある。この神経神話は世間に根強く存在し、根拠がないにもかかわらず、テレビ番組や映画の題材となることで、さも現実的な理論であるかのように誤解を生んでいる節がある。 日本のテレビドラマでは、木村拓哉主演の『MR.BRAIN』(2009年,TBS。脳は全体の5%しか活動をしてない、という前提が設定に含まれている)など、海外の映画では、リュック・ベッソン監督による『LUCY/ルーシー』(2014年。人類の脳は10%しか使われておらず、それを100%用いることによって超人的な力が発揮される、という設定)などがその典型例である。 近年では、経済協力開発機構(OECD)などが研究を進め、日本語訳として『脳からみた学習 -新しい学習科学の誕生』なども刊行され、神経神話を克服するための、正しい脳科学に関する啓蒙活動が行われているが、それでもテレビ・メディアやインターネットを中心に、なお根強く神経神話が喧伝され続けている。 (ja)
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  • 神経神話(しんけいしんわ、英語: neuromyths)とは、脳科学をよそおった非科学的な理論群の総称。 脳の働きに関係するもの、すなわち脳科学の分野において、科学的根拠が存在しないか、もしくは研究途上である証明が不完全な内容のものを、さも事実であるかのように世間に流布しているものについてが、特に神経神話と呼ばれる。具体的には、 * 人間の脳は全体の10%しか使っていない * 右脳人間・左脳人間が存在する * 幼児期に速やかに学習しないと後々影響が出る(いわゆる臨界期) * 男性の脳と女性の脳は違う * 日本人は虫の音を「声」として認識できる などの類で、これらはすべて、根拠が明確でない、俗にいうエセ科学に分類される内容でもある。この神経神話は世間に根強く存在し、根拠がないにもかかわらず、テレビ番組や映画の題材となることで、さも現実的な理論であるかのように誤解を生んでいる節がある。 日本のテレビドラマでは、木村拓哉主演の『MR.BRAIN』(2009年,TBS。脳は全体の5%しか活動をしてない、という前提が設定に含まれている)など、海外の映画では、リュック・ベッソン監督による『LUCY/ルーシー』(2014年。人類の脳は10%しか使われておらず、それを100%用いることによって超人的な力が発揮される、という設定)などがその典型例である。 (ja)
  • 神経神話(しんけいしんわ、英語: neuromyths)とは、脳科学をよそおった非科学的な理論群の総称。 脳の働きに関係するもの、すなわち脳科学の分野において、科学的根拠が存在しないか、もしくは研究途上である証明が不完全な内容のものを、さも事実であるかのように世間に流布しているものについてが、特に神経神話と呼ばれる。具体的には、 * 人間の脳は全体の10%しか使っていない * 右脳人間・左脳人間が存在する * 幼児期に速やかに学習しないと後々影響が出る(いわゆる臨界期) * 男性の脳と女性の脳は違う * 日本人は虫の音を「声」として認識できる などの類で、これらはすべて、根拠が明確でない、俗にいうエセ科学に分類される内容でもある。この神経神話は世間に根強く存在し、根拠がないにもかかわらず、テレビ番組や映画の題材となることで、さも現実的な理論であるかのように誤解を生んでいる節がある。 日本のテレビドラマでは、木村拓哉主演の『MR.BRAIN』(2009年,TBS。脳は全体の5%しか活動をしてない、という前提が設定に含まれている)など、海外の映画では、リュック・ベッソン監督による『LUCY/ルーシー』(2014年。人類の脳は10%しか使われておらず、それを100%用いることによって超人的な力が発揮される、という設定)などがその典型例である。 (ja)
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  • 神経神話 (ja)
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