沼尻鉱山(ぬまじりこうざん)は、福島県猪苗代町にかつて存在した硫黄鉱山である。 安達太良山の西側斜面を鉱区としており、江戸時代には会津藩と二本松藩が権利を争った。明治時代に入り、民間による開発が進むと開発は盛んになり、噴火による被害を乗り越え、一時は年間一万トンを超える硫黄を産出する規模となった。1900年の噴火では鉱山に火砕流が到達し、多くの死者を出している。採掘された硫黄の搬出のために沼尻鉄道が敷設され、その終点である沼尻駅へは、鉱山から索道で硫黄が輸送されていた。しかし、1960年代に入ると石油精製の副産物由来の硫黄が市場に流通、価格が急落し閉山を余儀なくされている。