About: 書斎の聖ヒエロニムス (デューラー、1521年)

『書斎の聖ヒエロニムス』（しょさいのせいヒエロニムス、英: St. Jerome in His Study）は、ドイツのルネサンス期の巨匠、アルブレヒト・デューラーによる板上の油彩画である。1521年3月に完成した。現在、ポルトガルのリスボンにある国立古美術館に所蔵されている。 デューラーの聖ヒエロニムスの描写の中で、本作は肖像画に類似したものであり、詳細な研究のための余地がほとんど残っていない（聖人が背景の小さな人物となっているデューラーの1514年の銅版画などは、数少ない例）。 モデルは、カールしていて、白みがかった黄色の顎鬚など、細部にまで気を配って描かれている。また、銅版画とは異なり、頭蓋骨の上に置かれた指がメメント・モリを意味しており、関連する重要な死の示唆がなされているのである。 手前の細部表現として、右側のインク壺と左側の書見台、および左上の十字架が挙げられる。