土佐源氏(とさげんじ)は宮本常一の『忘れられた日本人』(岩波文庫、1960年)に収録の作品。土佐の老博労が語る生と性の遍歴を宮本が聞き書きした記録として公表されたが、創作とも言われていた。研究者の井出幸男の調査により、 青木信光 (作家)の好色本『好いおんな』シリーズに収録された作者不詳の『土佐乞食のいろざんげ』から性描写を省いた宮本の創作とされる。井出によると、その原作自体も『チャタレイ夫人の恋人』などに影響された宮本が書いたものと見られる。