『史記会注考証』(しきかいちゅうこうしょう)は、『史記』の注釈書の1つ。日本の瀧川龜太郎(資言)が編纂した。初版は東方文化学院東京研究所より1932年から1934年にかけて刊行、全10冊。現代日本における『史記』研究の基礎となる書物である。 会注とは、注を集めたという意味で、『史記会注考証』には、『史記』本文と『史記』の3つの代表的な以下の注を収めている。 * 南朝宋のによる『史記集解』 * 唐の司馬貞による『史記索隠』 * 唐のによる『史記正義』 本書の注目すべきところは、唐の張守節の『史記正義』を大幅に復元したことである。中国の歴代の史記刊本(例『』)の中では大幅に削除・省略されていたのだが、瀧川が日本に伝存していた当該佚文を、直江兼続旧蔵書の南宋黄善夫本などから広く蒐集し『史記会注考証』に収録したのである。 またこれに加えて、考証として、清の考証学や日本での研究を参考にして、瀧川自身が注をつけている。これまでの注釈を集大成し、清の崔述や、日本の江戸時代の考証学者中井履軒らの著述も参考にしているので、非常に便利な注釈書であり、『史記』の現代日本語訳に於いてしばしば底本とされている。バートン・ワトソンの英訳も『考証』から訳された。

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  • 『史記会注考証』(しきかいちゅうこうしょう)は、『史記』の注釈書の1つ。日本の瀧川龜太郎(資言)が編纂した。初版は東方文化学院東京研究所より1932年から1934年にかけて刊行、全10冊。現代日本における『史記』研究の基礎となる書物である。 会注とは、注を集めたという意味で、『史記会注考証』には、『史記』本文と『史記』の3つの代表的な以下の注を収めている。 * 南朝宋のによる『史記集解』 * 唐の司馬貞による『史記索隠』 * 唐のによる『史記正義』 本書の注目すべきところは、唐の張守節の『史記正義』を大幅に復元したことである。中国の歴代の史記刊本(例『』)の中では大幅に削除・省略されていたのだが、瀧川が日本に伝存していた当該佚文を、直江兼続旧蔵書の南宋黄善夫本などから広く蒐集し『史記会注考証』に収録したのである。 またこれに加えて、考証として、清の考証学や日本での研究を参考にして、瀧川自身が注をつけている。これまでの注釈を集大成し、清の崔述や、日本の江戸時代の考証学者中井履軒らの著述も参考にしているので、非常に便利な注釈書であり、『史記』の現代日本語訳に於いてしばしば底本とされている。バートン・ワトソンの英訳も『考証』から訳された。 ただし、参考した注釈を明記しない場合があり、時には先行する注釈の説を剽窃して瀧川自身の見解として述べている部分もあるので、考証部分を利用するに際しては一定の注意を要す。 (ja)
  • 『史記会注考証』(しきかいちゅうこうしょう)は、『史記』の注釈書の1つ。日本の瀧川龜太郎(資言)が編纂した。初版は東方文化学院東京研究所より1932年から1934年にかけて刊行、全10冊。現代日本における『史記』研究の基礎となる書物である。 会注とは、注を集めたという意味で、『史記会注考証』には、『史記』本文と『史記』の3つの代表的な以下の注を収めている。 * 南朝宋のによる『史記集解』 * 唐の司馬貞による『史記索隠』 * 唐のによる『史記正義』 本書の注目すべきところは、唐の張守節の『史記正義』を大幅に復元したことである。中国の歴代の史記刊本(例『』)の中では大幅に削除・省略されていたのだが、瀧川が日本に伝存していた当該佚文を、直江兼続旧蔵書の南宋黄善夫本などから広く蒐集し『史記会注考証』に収録したのである。 またこれに加えて、考証として、清の考証学や日本での研究を参考にして、瀧川自身が注をつけている。これまでの注釈を集大成し、清の崔述や、日本の江戸時代の考証学者中井履軒らの著述も参考にしているので、非常に便利な注釈書であり、『史記』の現代日本語訳に於いてしばしば底本とされている。バートン・ワトソンの英訳も『考証』から訳された。 ただし、参考した注釈を明記しない場合があり、時には先行する注釈の説を剽窃して瀧川自身の見解として述べている部分もあるので、考証部分を利用するに際しては一定の注意を要す。 (ja)
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  • 『史記会注考証』(しきかいちゅうこうしょう)は、『史記』の注釈書の1つ。日本の瀧川龜太郎(資言)が編纂した。初版は東方文化学院東京研究所より1932年から1934年にかけて刊行、全10冊。現代日本における『史記』研究の基礎となる書物である。 会注とは、注を集めたという意味で、『史記会注考証』には、『史記』本文と『史記』の3つの代表的な以下の注を収めている。 * 南朝宋のによる『史記集解』 * 唐の司馬貞による『史記索隠』 * 唐のによる『史記正義』 本書の注目すべきところは、唐の張守節の『史記正義』を大幅に復元したことである。中国の歴代の史記刊本(例『』)の中では大幅に削除・省略されていたのだが、瀧川が日本に伝存していた当該佚文を、直江兼続旧蔵書の南宋黄善夫本などから広く蒐集し『史記会注考証』に収録したのである。 またこれに加えて、考証として、清の考証学や日本での研究を参考にして、瀧川自身が注をつけている。これまでの注釈を集大成し、清の崔述や、日本の江戸時代の考証学者中井履軒らの著述も参考にしているので、非常に便利な注釈書であり、『史記』の現代日本語訳に於いてしばしば底本とされている。バートン・ワトソンの英訳も『考証』から訳された。 (ja)
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  • 史記会注考証 (ja)
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