光子気体(こうしきたい、英: photon gas)、もしくは光子ガスは、光子から成る気体に似た集合のことである。ここで「似た」と述べたのは、系の圧力、温度、エントロピーといった物理量に関して、水素やヘリウムといった一般系な気体と同様の性質を示すことを指す。 1種類の粒子からなる理想気体の系の状態は、例えば温度・体積・粒子数の3つの状態変数によって一意的に表せる。しかし、黒体輻射(より考えやすくは空洞放射)の場合、エネルギー分布は光子と物体(通常は空洞の壁)の相互作用で決まる。この相互作用において、光子数は保存されない。すなわち、黒体輻射における光子気体の化学ポテンシャルはゼロである。よって、黒体輻射を記述するために必要な状態変数の数は、理想気体のときよりも少なく2つ(例えば温度と体積)である。