ユビキノール-シトクロムcレダクターゼ(ubiquinol-cytochrome-c reductase)またはシトクロムbc 1複合体(cytochrome bc 1 complex)もしくは単に複合体III(complex III)は、電子伝達系の3番目の複合体で、生化学的なATP合成(酸化的リン酸化)において重要な役割を担っている。複合体IIIは、ミトコンドリア遺伝子(シトクロムb)と核遺伝子(それ以外のサブユニット)の両方にコードされているマルチサブユニット膜貫通リポタンパク質である。複合体IIIは、全ての動物のミトコンドリア、全ての好気性真核生物、およびほとんどの真性細菌の内膜に存在する。複合体IIIの突然変異は、多系統疾患や運動耐容能低下の原因となる。