モグーリスタン(ペルシア語: مغولستان, Moghulistan, Mughalistan)は、天山山脈北部の中央アジアから東アジアにかけて広がる歴史的地域の呼称。現在のカザフスタン、キルギス、中華人民共和国の新疆ウイグル自治区が、この地域に含まれる。 14世紀以後にこの地域を統治した東チャガタイ・ハン国は、モグーリスタン・ハン国、モグール・ウルスとも呼ばれる。領域東部のオアシス都市は国内の有力部族ドゥグラト部の支配下に置かれ、16世紀以降はナクシュバンディー教団のスーフィーが強い影響力を持つようになった。ドゥグラト部などの有力貴族(アミール)とナクシュバンディー教団が大きな影響力を有していたため、君主であるハンの権力は不安定なものだった。モグーリスタン・ハン国は中国との朝貢貿易によって利益を得たが、頻繁に起きる内戦とかつての西チャガタイ・ハン国の領域に出現したティムール朝の侵入に悩まされた。16世紀にモグーリスタン・ハン国は東西に分裂し、17世紀末にモグーリスタン・ハン国の流れを汲む政権はジュンガル部の攻撃によって滅亡した。