ポパイ作戦(ポパイさくせん、Operation Popeye)とは、アメリカ合衆国がベトナム戦争期の1967年5月20日から1972年7月5日にかけて東南アジアで行った、極秘の気象操作計画。ポパイ計画、モータープール計画、Intermediary-Compatriot計画とも。合衆国政府の戦況を有利に進めるため、人工降雨により、ホーチミン・ルート地域のみならず、タイからカンボジア、ラオスの雨季を長引かせるものであった。ヨウ化銀(I)とヨウ化鉛(II)とで雲を発生させ、対象地域において平均30日間から45日間雨季を長引かせた。 継続的な降雨により交通網が寸断されたため、比較的成功したとされている。しかしながら、人工降雨が付近の洪水を引き起こし、アメリカ兵捕虜が移動させられたため、その救出を目的としたの失敗につながったと批判されることもある。ロバート・マクナマラ元アメリカ合衆国国防長官は、国際的な科学界から抗議を受ける可能性を認識していたにもかかわらず、大統領に宛てた書簡の中で、これまでその種の抗議が合衆国の国益に適う軍事行動を妨げた例はない、と述べていた。 ヘンリー・キッシンジャーアメリカ合衆国国務長官と中央情報局(CIA)が、当時の国防長官の許可を得ずに行ったという説もある。国防長官は連邦議会で、気象操作の戦術利用については計画すら存在しないと一貫して否定していた。