ファリニシュ(アイルランド語: Failinis、Ṡalinnis/Shalinnis)は、アイルランド伝承文学に登場する犬。元はイルアドの国の犬だが、トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の長腕のルーが、トゥレンの子らから賠償(エリック)に求めて得た物品のひとつ。 元はイルアドの鍛冶師または王の仔犬だった。 とくに、その毛皮に触れる水をワインと化す(あるいは酒類を口から吐き出す)能力があるといわれる。また百獣に君臨するともいわれ、魔法で人間も亡き者にする殺傷能力も発揮する。 時代がくだると、ルーの犬は異国の三人組の持ち物となり、フィン・マックール率いるフィアナ騎士団が遭遇する。犬を使った酒の密造を盗み見した団員は犬によって始末されるが、古謡では、それが発覚し、いったんフィンに犬が献上されるが、三人組は犬を殺して毛皮だけを異国に持ち去る。散文物語では犬にはフェル・ヴァックという異なる名がつけられており、盗み見した隊員は行方が分からないままで三人組や犬の罪は問われない。