トンコリはアイヌに伝わる伝統的な弦楽器で、通常は五弦であることから「五弦琴」と訳される。三弦や六弦の物もあるが、非常に稀で、文献の絵図や写真、もしくは現物で確認できるもののほとんどは「五弦琴」である。 江戸時代には北海道の宗谷地方やオホーツク沿岸地域、天塩(美深) などでもほぼ同じ楽器が存在し「カー」と呼ばれ演奏されていた文献記録 があるが、近代までに伝承は途絶えた。現在判明している製作法や演奏法は、すべて樺太アイヌのものである。