『デリー』(Délie, objet de plus haulte vertu)は、16世紀フランスの詩人モーリス・セーヴが執筆した詩集で、彼の代表作である。 初版は1544年に出版された。タイトルは、L'Idée (この場合はプラトンのイデア論の意)のアナグラムである。また、ラ・デリエンヌ(La Délienne, ディアーナの異称)を意識しているとも言われる。 『デリー』は、449篇の十行詩(1行10音綴が10行)から成り、それに先行する形で "A sa Délie" と題された献辞的な八行詩が収められている。詩篇は、50のエンブレムと交互に収められている。エンブレムには、絵と格言が含まれており、続く十行詩で取り上げられている。こうして、本書は、16世紀のエンブレム・ブックのより一般的なブームを反映するものとなっている(当時のエンブレム・ブックで、とりわけ特徴的だったものは、アルチャーティの『エンブレマタ』である)。 19世紀後半以降、新たに批判的な関心から見られているセーヴの十行詩は、当時の人々にとってさえも難解なものであった。彼の熱烈な賛美者でさえ、それらを理解できないと告白した。こうした難解さの中に織り込む形で、ペトラルカ的な恋愛観やフィチーノを経由した新プラトン主義、ヘルメス主義などが表現されたのである。

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  • 『デリー』(Délie, objet de plus haulte vertu)は、16世紀フランスの詩人モーリス・セーヴが執筆した詩集で、彼の代表作である。 初版は1544年に出版された。タイトルは、L'Idée (この場合はプラトンのイデア論の意)のアナグラムである。また、ラ・デリエンヌ(La Délienne, ディアーナの異称)を意識しているとも言われる。 『デリー』は、449篇の十行詩(1行10音綴が10行)から成り、それに先行する形で "A sa Délie" と題された献辞的な八行詩が収められている。詩篇は、50のエンブレムと交互に収められている。エンブレムには、絵と格言が含まれており、続く十行詩で取り上げられている。こうして、本書は、16世紀のエンブレム・ブックのより一般的なブームを反映するものとなっている(当時のエンブレム・ブックで、とりわけ特徴的だったものは、アルチャーティの『エンブレマタ』である)。 19世紀後半以降、新たに批判的な関心から見られているセーヴの十行詩は、当時の人々にとってさえも難解なものであった。彼の熱烈な賛美者でさえ、それらを理解できないと告白した。こうした難解さの中に織り込む形で、ペトラルカ的な恋愛観やフィチーノを経由した新プラトン主義、ヘルメス主義などが表現されたのである。 (ja)
  • 『デリー』(Délie, objet de plus haulte vertu)は、16世紀フランスの詩人モーリス・セーヴが執筆した詩集で、彼の代表作である。 初版は1544年に出版された。タイトルは、L'Idée (この場合はプラトンのイデア論の意)のアナグラムである。また、ラ・デリエンヌ(La Délienne, ディアーナの異称)を意識しているとも言われる。 『デリー』は、449篇の十行詩(1行10音綴が10行)から成り、それに先行する形で "A sa Délie" と題された献辞的な八行詩が収められている。詩篇は、50のエンブレムと交互に収められている。エンブレムには、絵と格言が含まれており、続く十行詩で取り上げられている。こうして、本書は、16世紀のエンブレム・ブックのより一般的なブームを反映するものとなっている(当時のエンブレム・ブックで、とりわけ特徴的だったものは、アルチャーティの『エンブレマタ』である)。 19世紀後半以降、新たに批判的な関心から見られているセーヴの十行詩は、当時の人々にとってさえも難解なものであった。彼の熱烈な賛美者でさえ、それらを理解できないと告白した。こうした難解さの中に織り込む形で、ペトラルカ的な恋愛観やフィチーノを経由した新プラトン主義、ヘルメス主義などが表現されたのである。 (ja)
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  • 『デリー』(Délie, objet de plus haulte vertu)は、16世紀フランスの詩人モーリス・セーヴが執筆した詩集で、彼の代表作である。 初版は1544年に出版された。タイトルは、L'Idée (この場合はプラトンのイデア論の意)のアナグラムである。また、ラ・デリエンヌ(La Délienne, ディアーナの異称)を意識しているとも言われる。 『デリー』は、449篇の十行詩(1行10音綴が10行)から成り、それに先行する形で "A sa Délie" と題された献辞的な八行詩が収められている。詩篇は、50のエンブレムと交互に収められている。エンブレムには、絵と格言が含まれており、続く十行詩で取り上げられている。こうして、本書は、16世紀のエンブレム・ブックのより一般的なブームを反映するものとなっている(当時のエンブレム・ブックで、とりわけ特徴的だったものは、アルチャーティの『エンブレマタ』である)。 19世紀後半以降、新たに批判的な関心から見られているセーヴの十行詩は、当時の人々にとってさえも難解なものであった。彼の熱烈な賛美者でさえ、それらを理解できないと告白した。こうした難解さの中に織り込む形で、ペトラルカ的な恋愛観やフィチーノを経由した新プラトン主義、ヘルメス主義などが表現されたのである。 (ja)
  • 『デリー』(Délie, objet de plus haulte vertu)は、16世紀フランスの詩人モーリス・セーヴが執筆した詩集で、彼の代表作である。 初版は1544年に出版された。タイトルは、L'Idée (この場合はプラトンのイデア論の意)のアナグラムである。また、ラ・デリエンヌ(La Délienne, ディアーナの異称)を意識しているとも言われる。 『デリー』は、449篇の十行詩(1行10音綴が10行)から成り、それに先行する形で "A sa Délie" と題された献辞的な八行詩が収められている。詩篇は、50のエンブレムと交互に収められている。エンブレムには、絵と格言が含まれており、続く十行詩で取り上げられている。こうして、本書は、16世紀のエンブレム・ブックのより一般的なブームを反映するものとなっている(当時のエンブレム・ブックで、とりわけ特徴的だったものは、アルチャーティの『エンブレマタ』である)。 19世紀後半以降、新たに批判的な関心から見られているセーヴの十行詩は、当時の人々にとってさえも難解なものであった。彼の熱烈な賛美者でさえ、それらを理解できないと告白した。こうした難解さの中に織り込む形で、ペトラルカ的な恋愛観やフィチーノを経由した新プラトン主義、ヘルメス主義などが表現されたのである。 (ja)
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  • デリー (詩集) (ja)
  • デリー (詩集) (ja)
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