ゴロム定規(ゴロムじょうぎ、英: Golomb ruler)とは、想像上の定規の上で一連の整数位置にマークを配置し、任意のマークの対の距離がどれをとっても等しくならないものをいう。ゴロム尺とも。マーク数を「次数 (order)」、2つのマーク間の距離のうち最大の距離を「長さ (length)」という。ゴロム定規の平行移動と鏡映は自明と考えられる。そのため慣例として、最小のマークを0とし、その次のマークは2つの可能な値のうち小さいほうを取る。 ソロモン・ゴロムが名前の由来だが、とBabcockも独自に発見している。 ゴロム定規は、その長さまでの全ての距離を測定できる必要はないが、全ての距離を測定できるゴロム定規を「完全 (perfect)」ゴロム定規 (PGR) という。5個以上のマークのあるゴロム定規では、完全ゴロム定規が存在しないことが証明されている。また、同一次数(マーク数)で最短のゴロム定規を「最短 (optimal)」ゴロム定規 (OGR) という。ゴロム定規を作るのは簡単だが、特定次数のゴロム定規を見つけるのは困難である。 2009年から開始した次数27の最短ゴロム定規を探すプロジェクトは、予想では7年で発見できるとしていたが、2014年2月に確定したと発表した。 最短ゴロム定規は、フェーズドアレイレーダーの設計、電波望遠鏡の配置などに応用されている。

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  • ゴロム定規(ゴロムじょうぎ、英: Golomb ruler)とは、想像上の定規の上で一連の整数位置にマークを配置し、任意のマークの対の距離がどれをとっても等しくならないものをいう。ゴロム尺とも。マーク数を「次数 (order)」、2つのマーク間の距離のうち最大の距離を「長さ (length)」という。ゴロム定規の平行移動と鏡映は自明と考えられる。そのため慣例として、最小のマークを0とし、その次のマークは2つの可能な値のうち小さいほうを取る。 ソロモン・ゴロムが名前の由来だが、とBabcockも独自に発見している。 ゴロム定規は、その長さまでの全ての距離を測定できる必要はないが、全ての距離を測定できるゴロム定規を「完全 (perfect)」ゴロム定規 (PGR) という。5個以上のマークのあるゴロム定規では、完全ゴロム定規が存在しないことが証明されている。また、同一次数(マーク数)で最短のゴロム定規を「最短 (optimal)」ゴロム定規 (OGR) という。ゴロム定規を作るのは簡単だが、特定次数のゴロム定規を見つけるのは困難である。 特定次数における最短ゴロム定規の発見を分散コンピューティングを利用したプロジェクトとしてdistributed.netで進められている。distributed.netでは、次数24、次数25、次数26、次数27の最短ゴロム定規を求め、最短の候補を検証中である。 2009年から開始した次数27の最短ゴロム定規を探すプロジェクトは、予想では7年で発見できるとしていたが、2014年2月に確定したと発表した。 distributed.netは次数28の最短ゴロム定規を探索している。また、新たなアルゴリズムの改善策が見つかったため、以前ほど時間はかからないと予測している。2022年11月22日に、約8年半かかって探査が終了したと発表した。次数28の最短ゴロム定規の探査終了時点では、想定している規模や期間から、現時点では次数29の最短ゴロム定規を探索する予定はないが、今後も継続して検討するとしている。 最短ゴロム定規は、フェーズドアレイレーダーの設計、電波望遠鏡の配置などに応用されている。 今のところ、n-次の最短ゴロム定規を求める問題の計算量は不明だが、NP困難問題だと考えられている。 (ja)
  • ゴロム定規(ゴロムじょうぎ、英: Golomb ruler)とは、想像上の定規の上で一連の整数位置にマークを配置し、任意のマークの対の距離がどれをとっても等しくならないものをいう。ゴロム尺とも。マーク数を「次数 (order)」、2つのマーク間の距離のうち最大の距離を「長さ (length)」という。ゴロム定規の平行移動と鏡映は自明と考えられる。そのため慣例として、最小のマークを0とし、その次のマークは2つの可能な値のうち小さいほうを取る。 ソロモン・ゴロムが名前の由来だが、とBabcockも独自に発見している。 ゴロム定規は、その長さまでの全ての距離を測定できる必要はないが、全ての距離を測定できるゴロム定規を「完全 (perfect)」ゴロム定規 (PGR) という。5個以上のマークのあるゴロム定規では、完全ゴロム定規が存在しないことが証明されている。また、同一次数(マーク数)で最短のゴロム定規を「最短 (optimal)」ゴロム定規 (OGR) という。ゴロム定規を作るのは簡単だが、特定次数のゴロム定規を見つけるのは困難である。 特定次数における最短ゴロム定規の発見を分散コンピューティングを利用したプロジェクトとしてdistributed.netで進められている。distributed.netでは、次数24、次数25、次数26、次数27の最短ゴロム定規を求め、最短の候補を検証中である。 2009年から開始した次数27の最短ゴロム定規を探すプロジェクトは、予想では7年で発見できるとしていたが、2014年2月に確定したと発表した。 distributed.netは次数28の最短ゴロム定規を探索している。また、新たなアルゴリズムの改善策が見つかったため、以前ほど時間はかからないと予測している。2022年11月22日に、約8年半かかって探査が終了したと発表した。次数28の最短ゴロム定規の探査終了時点では、想定している規模や期間から、現時点では次数29の最短ゴロム定規を探索する予定はないが、今後も継続して検討するとしている。 最短ゴロム定規は、フェーズドアレイレーダーの設計、電波望遠鏡の配置などに応用されている。 今のところ、n-次の最短ゴロム定規を求める問題の計算量は不明だが、NP困難問題だと考えられている。 (ja)
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  • ゴロム定規(ゴロムじょうぎ、英: Golomb ruler)とは、想像上の定規の上で一連の整数位置にマークを配置し、任意のマークの対の距離がどれをとっても等しくならないものをいう。ゴロム尺とも。マーク数を「次数 (order)」、2つのマーク間の距離のうち最大の距離を「長さ (length)」という。ゴロム定規の平行移動と鏡映は自明と考えられる。そのため慣例として、最小のマークを0とし、その次のマークは2つの可能な値のうち小さいほうを取る。 ソロモン・ゴロムが名前の由来だが、とBabcockも独自に発見している。 ゴロム定規は、その長さまでの全ての距離を測定できる必要はないが、全ての距離を測定できるゴロム定規を「完全 (perfect)」ゴロム定規 (PGR) という。5個以上のマークのあるゴロム定規では、完全ゴロム定規が存在しないことが証明されている。また、同一次数(マーク数)で最短のゴロム定規を「最短 (optimal)」ゴロム定規 (OGR) という。ゴロム定規を作るのは簡単だが、特定次数のゴロム定規を見つけるのは困難である。 2009年から開始した次数27の最短ゴロム定規を探すプロジェクトは、予想では7年で発見できるとしていたが、2014年2月に確定したと発表した。 最短ゴロム定規は、フェーズドアレイレーダーの設計、電波望遠鏡の配置などに応用されている。 (ja)
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