『どてらい男』(どてらいヤツ)は、花登筺の小説。『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)に連載された。山善を興した山本猛夫をモデルとした立志伝である。第一部が全6巻、第二部が全5巻の二部構成、全11巻からなる。原作者の花登が脚本を担当してテレビドラマ化されたのが好評を博し、角川文庫(角川書店)から文庫化、また、映画、舞台、漫画にもなった。舞台作品は近年では、2006年10月に京都の南座で29年ぶりに再演されている。 題名にある「どてらい」とは、紀州弁で「凄い」「とんでもない」の意。近代以降の大阪をステレオタイプ化した作品の1つである。山善はこの作品を社業・社史の一部に位置づけており、テレビドラマ放映中の1975年から「どてらい市」と名付けた商談会を開いている。